2007 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀東アジアにおけるメディア産業の形成と地域社会の変容に関する国際共同研究
Project/Area Number |
17310148
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
孫 安石 Kanagawa University, 外国語学部, 准教授 (30321954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
並木 頼寿 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (80155986)
川島 真 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (90301861)
佐藤 卓巳 京都大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (80211944)
貴志 俊彦 神奈川大学, 経営学部, 教授 (10259567)
清水 賢一郎 北海道大学, 言語文化部, 准教授 (90262097)
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Keywords | メディア / ラジオ / 戦争 / 東アジア / 帝国 / 産業 |
Research Abstract |
共同研究の三年目を迎えた平成19年度の活動は、韓国・ソウル会議の開催と佐藤卓己・孫安石編『東アジアの終戦記念日』(ちくま新書)の刊行、「戦争とメディア、そして生活」シンポジウム(12月)の開催の三つに要約できる。 (1)2007年4月のソウル会議は、2006年度のシンポジウムに参加した元容鎮教授(西江大学)の紹介によるもので、「アジアにおける8・15を考える」(韓国言論情報学会と共同開催)という題で行われた。この会議には日本からは研究代表者孫安石のほか4名が参加し、佐藤卓己「日本と8月15日の神話」、福間良明「沖縄における8月15日の意味」、小林聡明「北朝鮮と8月15日」尹健次「在日韓国人がみた8月15日」、孫安石「中国の抗戦勝利記念日の意味」という報告を行った。 (2)次に、佐藤卓己・孫安石編『東アジアの終戦記念日』(ちくま新書、2007年)は2006年12月に開催されたシンポジウム報告を下敷きにしたもので、研究分担者の全面的な協力をえて出版することができた。ところが、共同研究を進めるなかで、次のような問題提起がなされた。すなわち、今回の共同研究が取り上げたのは、新聞、雑誌、ラジオなどを主にしたもので、その他に、我々の生活により密接しているメディアを取り上げるべきではないか、という問題提起である。たしかに、新聞、雑誌、ラジオなどのマスメディアが社会に与えた影響が大きかったことは間違いないが、これらの情報は様々なメディア媒体によって再構成され、複製され、人々の生活と記憶の一部として形を変える。 (3)そこで、これらの問題提起に答えると同時に、異分野の研究メンバーが学際的な議論を展開する場を提供すべく、関連研究者に参加を呼びかけたのが、シンポジウム「戦争とメディア、そして生活」(2007年12月1日)である。このシンポジウムでは、従来のメディア研究では取り上げられる機会が少なかった写真、広告、伝単、絵はがき、郵便切手、玩具、着物柄などを取り上げ、メディア情報がどのように複製されていくのか、について活発な議論が行われた。
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Research Products
(7 results)