2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17310150
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
大林 稔 龍谷大学, 経済学部, 教授 (70257822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川端 正久 龍谷大学, 法学部, 教授 (10043374)
児玉谷 史朗 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (00234790)
高橋 基樹 神戸大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (30273808)
栗本 英世 大阪大学, 大学院・人間科学研究科, 教授 (10192569)
遠藤 貢 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (70251311)
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Keywords | アフリカ / メディア / 情報アクセス / 民主化 / 紛争 / 貧困 |
Research Abstract |
本年度は、国内調査およびセネガル(コートジボワールが治安上の理由から調査困難だったため変更)での予備調査を実施した。現地調査の成果として、現地研究者との協働が鍵となることが明らかになり、若手研究者を同行して研究効率を向上させたこと、仏語圏アフリカ全般のメディアについての資料収集が進んだことをあげられる。 国内調査では、本格的分析は次年度以降の課題とし、基礎的な事実の確認、資料収集に時間をかけた。日本では研究実績がなく、研究員(アフリカ各地の専門家)にとってもあらたな研究分野であるためである。 これまでの調査研究結果の概要は以下の通り: 1.サハラ以南アフリカの大半の国で、民衆がアクセスできる情報は1990年代以降、劇的に増加した。アクセスの数量的把握は今後の課題である。最大の受益者は都市住民であり、農村との情報格差は拡大したが、農村でもアクセスの伸び率は高いと推定される。アクセスの拡大は男女、すべての階層におよぶが、格差の傾向は今後調査を要する。 2.アクセス増加の要因とみられるのは、第一に民主化、第二に情報革命である。テレビの発展はさまざまな理由から遅れている。主要な担い手は民間資本であるが、農村では非営利組織の役割も大きい。政府は制度的環境整備の担い手である。海外援助の役割は大きいが、情報部門支援のシェアは小さい。 3.メディア発展の社会的影響の研究は、南ア以外では限られており、民主化および紛争との関連に集中している。一般にメディアの発展は社会経済発展に正の影響を与えるとみられるが、負の影響の事例(ルワンダ、コートジボワール)も確認されている。メディアの発展が民衆に有益なものとなる条件を探るのは、今後の課題である。 本年度は市民メディアの研究会との合同研究会を持ち、有益な情報を得たと同時に、メディアの専門知識の必要性が明らかになった。このため来年度はメディア分野の専門家の参加を求める。
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Research Products
(12 results)