2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17320009
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
三好 博之 京都産業大学, 理学部, 教授 (60286135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 洋之 専修大学, 文学部, 教授 (60191988)
戸田山 和久 名古屋大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (90217513)
郡司 幸夫 神戸大学, 理学部, 教授 (40192570)
出口 康夫 京都大学, 大学院文学研究科, 助教授 (20314073)
白旗 優 慶應義塾大学, 商学部, 助教授 (00286618)
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Keywords | 計算 / 文脈原理 / 意味 / 意義 / 数学の哲学 / 時間 / 精神病理学 / 粘菌 |
Research Abstract |
金子は、フレーゲの「意義」およびダメットの「意義」概念の比較を通して、「意義」が何であるかの解明を行い、算術では、計算概念に焦点を合わせることによって両者の「意義」をうまく一致するように解釈できること、そうした「意義」がかなり構成主義的であることを見いだした。岡本は、言語哲学的な意味概念、数学的な計算概念、論理学的な証明概念、という三者の関係を、特に文脈原理の考えを基盤に据えつつ再検討した。出口は、十八世紀の数学者フォン・ゼーグナーの著作を集中的に精査することで、カント数学論における「構成」概念の<誕生>に関する重要な知見を得た。白旗は、直観主義的高階論理の圏論的モデルであるトポスでの様々な構成を、細かく見直す作業をおこなった。これと並行して、個体を相互作用の場(ゲーム)として理解し直す、という着想を深めた。三好は物理学との連関について引き続き予備的な考察を行った。檜垣は、現代フランス哲学の方向から、そのメタフィジックの構造の解明につとめ、とりわけ、身体論・時間論・精神論・制度論への施行を深めた。深尾は脳の突発的な機能障害としてのてんかん発作による精神病理現象を分析することによって「生きられる時間」の構造を明らかにするべく、研究を進めた。戸田山は、数学的プラトニズム、数学的唯名論と数学の実践のダイナミックな関係について考察を行った。また、発生学的視点を進化、遺伝についての哲学的諸前提に導入した場合にどのような実り豊かな帰結をもたらすかについて考察した。郡司は、束、層、力学系などを用いた生命と創発のモデル化について論じ、また粘菌を用いた様々な実験を行った。さらに視覚システムにおけるノイズとパターンの相互作用、先読みリーチングによる主観的時間の変質、ニューラルネットワークにおける否定と共立、の研究を行った。
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Research Products
(28 results)