2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17320009
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
三好 博之 Kyoto Sangyo University, 理学部, 教授 (60286135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 洋之 専修大学, 文学部, 教授 (60191988)
戸田山 和久 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (90217513)
郡司 幸夫 神戸大学, 理学部, 教授 (40192570)
出口 康夫 京都大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (20314073)
白旗 優 慶應義塾大学, 商学部, 准教授 (00286618)
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Keywords | 計算 / フレーゲ / ダメット / ウィトゲンシュタイン / カント / 生命 / シーケント計算 / 精神医学 |
Research Abstract |
金子は,計算理論の草創期の文献およびダメットの著作を検討し,その一方でフレーゲおよび初期ウィトゲンシュタインの数学論を素材に分析を進めた.出口は18世紀ドイツの算術に関する書物に登場する18世紀的「計算」と、カントの「構成」としての計算概念の比較検討を試みた。その結果,カントの計算概念の背景について従来のカント研究の了解を覆すいくつかの成果が得られた。檜垣は,生命の哲学の歴史をおいながら、生命概念と計算概念とのつながりにからむ哲学的内容を提示した.白旗は,部分構造論理のクリプキモデルの圏での部分対象について調べた.その成果として,対象領域が各可能世界で同一であるような対象の部分対象に関しては,通常の対応がそのまま成り立つことがわかった.岡本は,シークエント計算の一般化として新しい体系Mを開発し、その様相解釈を構成した上で、ここに含まれる哲学的含意を考察した.郡司は,オートマトンによる数値計算や、束・商束による二重性を実装した数理モデルによって、認知的時間や対称性バイアスなどを理解することを行った.その成果として,境界の脆弱なアメーバモデルによって、いわゆる最適計算と探索のジレンマが解決できた。束・商束による二重性モデルによって、対称性バイアスなどの認知判断や、時間における因果関係知覚の逆転などが説明できた。深尾は,てんかんにおける精神病理現象の記述と科学的・哲学的分析を行った.そして,てんかん患者における社会認知機能の障害、てんかん患者における精神発作と認知機能の関連、てんかん患者におけるいわゆる心霊現象とてんかん発作との関係を分析し、それぞれに新たな知見を得た。三好は,これまでの成果である計算の哲学のための形而上学的概念装置適用した時間論をさらに発展させ,形而上学的および具体的音楽論に発展させた.
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Research Products
(43 results)