2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17320012
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
湯浅 邦弘 大阪大学, 文学研究科, 教授 (30182661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 裕一 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (20127476)
福田 哲之 島根大学, 教育学部, 教授 (10208960)
竹田 健二 島根大学, 教育学部, 助教授 (10197303)
菅本 大二 梅花女子大学, 文化表現学部, 助教授 (30299002)
辛 賢 大阪大学, 文学研究科, 講師 (70379220)
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Keywords | 中国哲学 / 古文字学 / 出土資料 / 郭店楚簡 / 上博楚簡 |
Research Abstract |
実施計画にそって研究を遂行し、以下のような実績をあげることができた。 第一は、『古代思想史と郭店楚簡』(浅野裕一編、汲古書院、全386頁、2005年)の刊行である。これは、前研究「戦国楚系文字資料の研究」の報告書として公開した郭店楚簡の釈文・訳注、関係論考を基盤として、改めてそれらを総合的に分析し、郭店楚簡の有する思想史的意義についてまとめた専著である。研究代表者および分担者の論考全16章からなる本書は、郭店楚簡の思想史的意義を、伝世文献との関わりにも留意しつつ記述するもので、上博楚簡の解読と思想史的意義の検討に際しても、重要な前提となるものである。 第二は、「上博楚簡」解題の執筆である。『上海博物館蔵戦国楚竹書』(三)(四)所収全文献について全員で検討を重ね、詳細な解題を作成して『中国研究集刊』第38号に掲載した。前研究での解題発表に続き、戦国楚簡の総合的な解題としては、世界初の業績である。 第三は、戦国楚簡の現地調査である。2005年夏、郭店楚簡を収蔵する湖北省荊門市博物館、郭店一号楚墓を含む紀山古墓群などを現地調査し、郭店楚簡の筆写時期、郭店楚墓の墓葬形態などについて新たな情報を得た。その詳細について、「中国湖北省荊門・荊州学術調査報告」(『中国研究集刊』第38号)として発表した。 第四は、上博楚簡の釈文・訳注作成、ならびに研究論文の発表である。メンバーは日本国内での研究会合を重ね、上博楚簡の解読に努めた。研究代表者の湯浅は、上博楚簡の内の『彭祖』を取り上げ、その思想的意義を明らかにする論考を発表した。また、各分担者も、それぞれ担当した上博楚簡について研究を進め、別紙「研究発表」欄に記載の通り、多くの研究成果を発表した。さらに、分担者の内、福田哲之・竹田建二・菅本大二は、2005年12月、台湾・国立政治大学中国文学系で開催された国際学会「土簡帛文獻與古代學術」學術研討會」に出席し、研究発表を行うなど、国際交流にも努めた。
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Research Products
(14 results)