2005 Fiscal Year Annual Research Report
16〜18世紀イエズス会現地報告文書にみる「普遍主義と地域特性」競合の国際比較
Project/Area Number |
17320018
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
川村 信三 上智大学, 文学部, 助教授 (00317497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高祖 敏明 上智大学, 総合人間科学部, 教授 (80103919)
シリル ベリヤト 上智大学, 外国語学部, 教授 (10216202)
ホレリッヒ ジャン・クロード 上智大学, 外国語学部, 助教授 (00276510)
斎藤 晃 国立民族学博物館, 先端人類科学研究部, 助教授 (20290926)
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Keywords | イエズス会 / 比較史 / 国際研究者交流 / 文化交流史 / 地域史研究 / カトリック教会 / 宗教史 / グローバルヒストリー |
Research Abstract |
イエズス会現地報告文書を用いて16世紀から18世紀の世界各地の地域史研究に従事している国際研究者交流およびネットワークづくりと、従来、わが国における歴史研究区分(日本史・東洋史・西洋史)では主題化されにくかった文化交流史を、超領域比較研究の枠組みで再検討するための研究プロジェクト。発足当初は、基幹研究(個人)をもとにした部会(年三回)と一回の拡大研究会(関連専門研究者招聘)を軸に、研究遂行を計画した。 平成17年度の実績としては、各部会として、5月にラテン・アメリカ部会(斎藤晃、武田和久)、7月に日本・中国部会(岡本さえ、アントニ・ウセレル、ジャン・クロード=オロリッシュ、川村信三)、10月にはインド・エチオピア部会(シリル・ヴェリヤト、アウグスティン・サリ、石川博樹)の各部会を開催した。また、12月17日と18日の二日にわたり、内外の研究者延べ100名を集め、国際学術会議(Sophia University International Colloquium 2005)を開催した。テーマはIntegration and Division between ‘Universalism and Localism' in Jesuit Mission Reports and Histories, 16^<th> to 18^<th> Centuryであり、三つのセッションで、ヨーロッパ宣教師(イエズス会)が世界各地にもちこんだ「普遍主義」の考え方と、それを迎える地域の反応がいかなるものであったかのケース・スタディを公表した。実施内容は17年度末の報告書(3月末)に掲載予定である。 平成17年度にひきつづき18年度においては、部会を充実させるとともに、平成18年12月9日・10日に、前年度よりさらに拡大した国際学会開催に向け、内外研究者との連絡等準備を続けている。各地特性の分析とその比較・統合は、グローバル・ヒストリーのあらたな視点を提唱しようとしている本研究グループの18年度における重要な課題である。 研究代表および、研究分担者は、各部会の充実のため、さらに新たな諸資料および情報収集と、各地の研究所との協力体制を確立するため、インド(ゴア イエズス会歴史研究所・コンカニ語研究所)、タイ(バンコク・チュラロンコン大学)、イタリア(ローマ・イエズス会歴史研究所および古文書館)、パリ(国立図書館、イエズス会文書館)、アメリカ合衆国(ブラウン大学等)およびわが国においては長崎関係資料館への調査を実施した。 さらに、イエズス会日本文書の中の、『日本年報』(フォリオ版6000枚以上)の一部を電子校訂版(デモ版)として作成するためのプロジェクトを準備している。
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Research Products
(5 results)