2005 Fiscal Year Annual Research Report
空間思想の比較史的検討とそれに基づく人文・社会科学理論の構築
Project/Area Number |
17320020
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山室 信一 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (10114703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早瀬 晋三 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20183915)
菊地 暁 京都大学, 人文科学研究所, 助手 (80314277)
坂本 優一郎 京都大学, 人文科学研究所, 助手 (40335237)
谷川 穣 京都大学, 人文科学研究所, 助手 (10362401)
藤原 辰史 京都大学, 人文科学研究所, 助手 (00362400)
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Keywords | 空間論 / 景観 / 共同体 / 居住形態 / 海域 / 陸域 / 空間表象 / 空間形成 |
Research Abstract |
平成17年度は、(1)例会における基本文献の会読・紹介、および、(2)国内外の特異な空間配置と景観形成に関するフィールドワークおよび資料蒐集、(3)研究分担者による事例研究を中心に、研究をすすめた。 まず(1)に関し、平成17年度は、本研究プロジェクトの初年度でもあり、近代の人文・社会諸科学各分野における空間論についての理解の共有と論点の抽出をおこなった。そのため、月二度例会を開催し、研究代表者・分担者が和辻哲郎『風土』、ミシェル・セルトー『日常的実践のポイエティーク』、柳田國男「都市と空間」、戸坂潤「空間について」、アンリ・ルフェーブル『空間の生産』などの基本文献を輪読し、関連する文献を紹介した。 つぎに(2)については、フィールドワークを国内外で実施した。国外においては砂漠を主体とする空間における共同体形成や家屋建築・居住形態の特徴などを調査するためモンゴルでゴビ砂漠やバヤンザグを訪れた他、バヤンダリーの牧民から聞き取りをおこなった。また、国内でのフィールドワークでは、海域と陸域との交渉、さらには国境地帯での相互交渉を解明するために対馬、九州国立博物館、日田、久留米を訪問し、空間の境界性および空間表象の実践と民間伝承、信仰形態などの関連についての調査をすすめた。 最後に(3)については、研究プロジェクト参加者の問題関心に応じて個別研究に関連する文献として川北稔・藤川隆男編『空間のイギリス史』、藤原辰史『ナチス・ドイツの有機農法』、菊地暁編『身体論のすすめ」などの紹介・書評をおこない、参加者全員による討議を経ることによって、空間的視点から導きだされうる論点や今後の研究課題について確認した。
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Research Products
(6 results)