2008 Fiscal Year Annual Research Report
モダニズムと中東欧の近代芸術に関する国際・学際共同研究
Project/Area Number |
17320030
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
圀府寺 司 Osaka University, 文学研究科, 教授 (50205340)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 靖 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80269969)
伊東 信宏 大阪大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (20221773)
井口 壽乃 埼玉大学, 教養学部, 教授 (00305814)
加須屋 明子 京都市立芸術大学, 美術学部, 准教授 (10231721)
三谷 研爾 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80200046)
|
Keywords | 中東欧 / モダニズム |
Research Abstract |
中東欧諸芸術を、その本国との連携を強めながら学際的に研究するという目的は、各研究者がポーランド、チェコ、ハンガリー、ブルガリア等のフィールドで行ってきた調査研究、ならびに本国の研究者との協力によって達成されてきた。具体的には以下にあげた日本語ならびに外国語の研究論文、学会発表、著書によって、本研究の四年間の成果は十分に発表されてきたといえよう。また、現在、執筆中の研究成果もいくつかあり、今後数年間にもさらなる成果の公表が期待できる。 研究成果はいずれも各国の地域研究的な芸術研究にとどまらない。圀府寺、加須屋はポーランド美術における諸相をその国際的な関係、コンテクストの中で研究してきたし、井口はチェコのデザインについて、伊東はブルガリアなどの音楽活動について、永田はロシアと日本の演劇について、いずれもグローバルなモダニズムのあり方を問い直す姿勢から研究を結実させてきた。実際、これらの研究は、従来の芸術研究において視野の外にありながら実はモダニズムの根幹に関わっていた現象の多くを掘り出してきた。それらの研究成果は、本研究が目指した「モダニズム的な芸術観の見直し」を具体的知見、情報を提示するものとなっている。その意味で、今後続いていくべき研究に適切な方向を示したといえるであろう。また、本研究に関わった大学院生の中には現在、中東欧諸国に留学して研究しているものも何名かおり、今後の研究の担い手となっていくことが期待できる。
|