2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17320031
|
Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
加須屋 誠 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (60221876)
|
Keywords | 仏教 / 説話 / 絵画史 / 六道 |
Research Abstract |
わが国では古代中世期に掛け幅形式の仏教説話画が多数制作された。しかし、従来それらについて十分な調査研究はなされていない。そこで本研究は、日本各地に遺る説話画現存遺品を網羅的に調査すること、そのデータを明確に分類整理すること、そこから得られた研究成果を体系的に公開することを通じて、これからの説話画研究の基礎を構築することを目指す。 本科研初年度に当たる今年(H17年度)は、以下の事項に当たった。 (1)個別作品調査・・・特別展覧会「最澄と天台の国宝展」(2005〜06、於京博/東博)出陳の滋賀・聖衆来迎寺本六道絵、兵庫・極楽寺本六道絵等を精査した。そこから得られた知見を同展関連企画のシンポジウム「六道の思想と美術」(上野記念財団主催、2005年10月24日開催、於京博)にて口頭発表、出席者と種々意見交換を行った。 (2)データ整理・・・研究代表者が本科研申請以前にフィルム撮影してきた説話画写真資料(約一万六千枚)のデジタル・データ化を完了した。それをもとに画像データベース(β版)を作成、今後のデータ整理の基本方針を確定した。 (3)成果公開・・・・聖衆来迎寺本六道絵の精細写真を多数収録する大判図録刊行を中央公論美術出版と合意し、その編集作業に着手した。本書は本科研完成年度(H20年度)迄に刊行の予定である。 研究は順調に進展し、まことに実り大きな一年であったと思われる。
|