2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17320031
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
加須屋 誠 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (60221876)
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Keywords | 仏教 / 説話 / 絵画史 |
Research Abstract |
わが国では古代中世期に掛幅形式の仏教説話画が多数制作された。しかし、従来それらについて十分な調査研究はなされていない。そこで本研究は、日本各地に遺る説話画現存遺品を網羅的に調査すること、そのデータを明確に整理分類すること、そこから得られた研究成果を体系的に公開することを通じて、これからの説話画研究の基礎を構築することを目指す。 本科研二年目に当たる今年(平成18年度)は、以下の事項に当たった。 (1)個別作品調査・・・2006年5月石川県鹿島郡鹿西町・本土寺所蔵「観音経絵」二幅を調査した。同年8月奈良県田原本町・安楽寺所蔵「融通念仏縁起絵」を調査した。両作品はこれまで細部を撮影した写真が出版物等に一切公開されたことがないため、今回の調査では綿密なデジタル写真撮影を行った。 (2)データ整理・・・兵庫県立歴史博物館開催「地獄」展に出陳された説話画作品を中心に、これまでフイルムで撮影された写真資料(約五千枚)をデジタル画像化した。また、昨年度試作した画像データベースを改良した。本年度デジタル化した分のデータベース登録は、予算の関係から来年度に行うことを予定。すでにその作業のための準備に着手している。 (3)成果公開・・・滋賀県大津市・聖衆来迎寺所蔵「六道絵」のカラー図版及び研究論文を収めた大型本の編集作業を急ピッチで進めた。当初、本書刊行は本科研完成年度(平成20年度)を予定していたが、作業が予想よりも順調に進んだため、来年度(H19年度)夏秋に刊行の計画である。 研究は順調に進み、まことに実り多い一年であったと思われる。
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