2007 Fiscal Year Annual Research Report
近代日本における中国書画コレンションの形成に関する研究
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17320033
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
宮崎 法子 Jissen Women's University, 文学部・美学美術史学科, 教授 (20135601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 淳 東京国立博物館, 文化財部, 研究員 (20227622)
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Keywords | 中国書画 / 日本近代のコレクター / 住友コレクション / 岩崎家コレクション / 近代の日本画家と明清画 / シレーン / 清末コレクター / 高島コレクション |
Research Abstract |
前年度に引き続き、泉屋博古館(住友家コレクション)と静嘉堂文庫美術館(岩崎家コレクション)の2大財閥コレクションについて、その来歴を学芸員の実方葉子氏と小林優子氏両研究-協力者を中心に、追跡調査を行い、旧蔵者や同時代の関連する個人コレクターの収蔵品の調査を進めた。特に住友コレクションの石涛・八大山人コレクションについては、旧蔵者として知られていた桑名鉄城以外に、同じく画家であった石井林響の存在に注目し、日本近代画家に及ぼした、それら石涛・八大山人画の影響についても、考察範囲を広げ、その方面の協力者として、女性国際大学水田記念美術館の吉田恵理氏の研究協力を得た。 また、中国書については、東京国立博物館富田研究員が、引き続き館蔵の高島コレクションの来歴調査を継続し、同時に19年度に書道博物館、三井文庫美術館3館共催の中国書拓本展を開催し、清末に中国からもたらされた3館蔵の有数の拓本コレクションの来歴や入手経緯について、各館との間で調査研究を行い、あわせて今後の協力体制を構築し、研究を進めつつある。 研究代表者は、近代目本を取り巻く海外の中国美術品の流れや、蒐集状況について、特に、ヨーロッパ近代において中国美術を広く知らしめる役割を果たした中国美術研究者シレーンと彼の収集品を中心に、スウェーデンの東アジア美術館の調査を行った。それらを通じ、また中国側から紹介されつつある中国所蔵の明清画の展覧会などの調査を通じて、日本近代の中国画蒐集品の特色を、欧米や中国の収集品との比較により相対化し、総合的に考察した。その成果の一部を利用し、目本、台湾、上海などで研究発表を行った。
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Research Products
(6 results)