2007 Fiscal Year Annual Research Report
近世初期工芸にみる国際性-大航海時代の寄港地間における美術交流に関する研究
Project/Area Number |
17320036
|
Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
日高 薫 National Museum of Japanese History, 研究部, 准教授 (80230944)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 剛 金沢美術工芸大学, 美術工芸学部, 准教授 (70210391)
荒川 正明 国立歴史民俗博物館, 出光美術館, 学芸員 (70392884)
丸山 伸彦 武蔵大学, 人文学部, 教授 (90183623)
澤田 和人 国立歴史民俗博物館, 研究部, 助教 (80353374)
坂本 満 国立歴史民俗博物館, 研究部, 名誉教授 (40000450)
|
Keywords | 南蛮 / 輸出漆器 / 東西交流 / 工芸 / 美術史 |
Research Abstract |
本研究は、近世工芸にみられる交流の実態を、西欧からの注文によって製作された輸出工芸品、国内向け工芸品に認められる外来影響、舶載品の受容の容態、意匠に見られる他者表象などの観点からとらえることを目的とする。従来の「東西(日本と西欧)」交流という枠組みにとらわれず、貿易船の停泊地周辺域で製作された諸美術工芸との関係性の中で、近世工芸を位置付けようとする点に特色がある。 1)平成19年度の主要な成果は、チロルおよびウィーン所在の日本美術および関連資料の調査を行ったことである。アンブラス城(インスブルック)が所蔵するチロルのフェルディナンド大公の美術品蒐集室のコレクションを調査し、産地不明の金彩漆碗、日本製の甲冑等、アジア産の蒐集品について精査した。また、オーストリア応用工芸美術館の所蔵する日本コレクションから、山水花鳥蒔絵キャスケット等、輸出漆器の調査をおこなった。加えてシェーンブルン宮殿を見学し、女帝マリア・テレジア存命中に設えられた「漆の間」や日本製輸出漆器等が飾られている様子を実見できたことも有意義であった。 2)また、以下に列挙する南蛮屏風の調査および撮影を行った。サンフランシスコ・アジア美術館(6曲1双)、新潟・個人蔵(6曲1双)、京都・個人蔵(6曲1双)。このうち京都・個人蔵の屏風は新出資料として極めて重要な位置を占める作品であることがわかった。
|
Research Products
(4 results)