2007 Fiscal Year Annual Research Report
イスラーム・ガラスと中世および近世日本ガラスの比較研究
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17320037
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Research Institution | The Middle Eastern Culture Center in Japan |
Principal Investigator |
真道 洋子 The Middle Eastern Culture Center in Japan, 学術局, 研究員 (50260146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 泉 東京理科大学, 理学部, 教授 (90155648)
井上 暁子 財団法人中近東文化センター, 中近東文化センター学術局, 研究員 (70425445)
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Keywords | イスラーム・ガラス / 日本ガラス / 考古学 / 分析化学 / ラーヤ遺跡 / グラス・ウェイト / 経筒 |
Research Abstract |
イスラーム・ガラスに関しては、エジプト・シナイ半島トゥール市において現地調査を実施し、エジプト・ラーヤ遺跡出土ガラスに基づく編年研究を継続した。本年度は特に8世紀のラスター・ステイン装飾ガラス、および、9〜10世紀のカット装飾ガラスを中心に、様式学的研究を行った。ガラス成分に関しても、ポータブルのXRF分析機器を現地に持ち込むことで、植物灰をソーダ源に利用した9世紀以降のガラス組成に関して詳細な検討を行った。これによって、9世紀以降のガラス様式、交易、化学組成などの変遷の解明を行った。 また、スイスのコレクターから400点余りのグラス・ウェイトと呼ばれる年代貴重なガラス製計量用具を借り受け、研究協力者の協力を得て日本で銘文の解読を行い、グラス・ウェイトに記載された歴史情報や計量した内容物情報などから、イスラームの経済史・生活史の解明に役立てた。また、化学分析を実施することで、ガラスの化学組成の変遷の解明と、出土ガラスの化学組成の比較を行い、イスラーム・ガラスの化学組成編年の研究を行った。 日本のガラスに関しては、10〜14世紀にいたる日本のガラス遺物、および文献に現れたガラス製品の記録を一覧表に作成した。また、奈良国立博物館の特別観覧調査を行い、同館所蔵の平安時代の工芸および考古資料のうち、ガラス製あるいはガラス製部品を擁する経筒などの熟覧を行い、計測および撮影を行った。このほか、愛媛、名古屋でも近世ガラスの調査を行った。
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Research Products
(5 results)