2006 Fiscal Year Annual Research Report
詩跡(歌枕)研究による中国文学史論再構築-詩跡の概念・機能・形成に関する研究-
Project/Area Number |
17320053
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
植木 久行 弘前大学, 人文学部, 教授 (20160153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 梁 弘前大学, 人文学部, 助教授 (20281909)
伊藤 守幸 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 教授 (30132559)
松尾 幸忠 岐阜大学, 地域科学部, 助教授 (20209505)
許山 秀樹 静岡大学, 情報学部, 助教授 (10257230)
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Keywords | 詩跡 / 歌枕 / 俳枕 |
Research Abstract |
本年度は、3年間にわたる共同研究の、中間の年である。8月24日、弘前大学で研究会を開催して、研究の進展を計った。 研究の代表者、並びに分担者の発表題目は、以下のごとくである。植木「竹内実編著『岩波漢詩紀行辞典』に対する論評だ-将来の詩跡辞典作成構想と関連させつつ-」、松尾「南宋時期の書物に見られる詩跡的観点について」、許山「長安と詩人杜牧-長安出身の詩人と比較して-」。 また今回は、俳枕方面の研究者として東京学芸大学教授嶋中道則、歌枕方面の研究者として群馬大学教授藤本宗利の2氏を招いて、それぞれ「俳枕の諸相」「歌枕の変遷-信太の森をめぐって-」を発表してもらった。 各自の発表に対して、招待の研究者を交えて活発に議論し、詩跡・歌枕・俳枕の概念・機能・形成に対する知見を深めた。特に歌枕・謡曲・軍記・芭蕉、それぞれに基づいて誕生・形成・展開していった俳枕の諸相は、詩跡を考察する重要な示唆に富んでいる。 前年度に続く詩跡調査として、9月4日から11日間にわたって、山東・陝西両省の詩跡を集中的に踏査した。この調査には、李・松尾・許山の3人も加わった。主要な探訪地は、山東省済寧市→鄒城市→曲阜市→泰安市→済南市→陝西省西安市周辺である。泰山や朱坡の風土的特色、〓突泉等の復元など、実地調査によって始めて得られる、貴重な知見と体験を多く獲得した 本年、植木と松尾は、詩跡の概念や形成に関する論文を、2編ずつ発表した。その内の1編は、8月のシンポジウムにおける発表を踏まえたものであり、もう1編「中国詩跡考1(安徽省)」(植木)と「池州における二つの詩跡-斉山と杏花村-」(松尾)は、前年度の実地調査を踏まえた論考である。またこの調査を踏まえた詩跡研究の成果を、少しずつ「中国詩跡」と題して、ネット上でも公開している。
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Research Products
(4 results)