2005 Fiscal Year Annual Research Report
『ムカッデイマト・アル・アダブ』のモンゴル語・チャガタイ語の語彙的・文法的研究
Project/Area Number |
17320061
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
斎藤 純男 東京学芸大学, 留学生センター, 教授 (10225740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 裕臣 神田外語大学, 韓国語学科, 特任教授 (00091231)
栗林 均 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (30153381)
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Keywords | ムカッディマト・アル・アダブ / モンゴル語 / チャガタイ語 / モンゴル語語彙データベース |
Research Abstract |
本研究は、新発現の『ムカッディマト・アル・アダブ』の写本を利用して、そこに含まれるモンゴル語とチャガタイ語の言語学的研究を行うことを目的としている。 研究の第1年次においては、資料の(1)文献学的な研究、(2)モンゴル語とチャガタイ語の言語学的な調査と分析、(3)モンゴル語語彙データのデータベース構築を開始した。 (1)文献学的な研究としては、ウズベキスタンより2名の研究協力者を招いて研究会を開催し、同写本がタシュケントのナヴォイー文学博物館に保存されるに至った経緯および同写本の特徴について情報と意見を交換した。そこでは、同写本のオリジナルに関する情報について、より詳しく調査を進める可能性が得られた。 (2)文献の言語学的な調査を進めた結果、1930年代にソ連の学者によってモンゴル語とチャガタイ語の部分が活字化され、ローマ字順に並べ替えられたものがあるが、これまでの検討により、そこには誤りや抜けが多くあるだけでなく、著者によって文法的な変更を加えられた部分もあることが判明した。したがって、形態素の接尾規則をはじめとする文法事項をすべて見直す必要があるという結論に達した。また、同文献のモンゴル語の部分には、いわゆる「モンゴル語」には存在しない語や句が多数あるが、写本のアラビア語、ペルシャ語、チャガタイ語部分との照合によって、それらの出自の多くが明らかになりつつある。 (3)同資料におけるモンゴル語語彙のデータベースの構築に関しては、新発現の写本にもとづいてアラビア文字で表記されたモンゴル語のローマ字によるトランスリタレーション、対応のモンゴル文語形(もしくはアラビア語、ペルシャ語、テュルク語形)、出現箇所の情報(ページ、行など)の入力と校正を行っている。
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Research Products
(4 results)