2006 Fiscal Year Annual Research Report
生得的言語知識の領域固有性に関する認知脳科学的研究
Project/Area Number |
17320062
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
綾野 誠紀 三重大学, 人文学部, 教授 (00222703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉崎 紘司 三重大学, 人文学部, 助教授 (60362331)
服部 範子 三重大学, 人文学部, 教授 (00198764)
吉田 悦子 三重大学, 人文学部, 助教授 (00240276)
岡崎 祐士 三重大学, 大学院医学系研究科, リサーチアソシエイト (40010318)
山本 哲朗 三重大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00127002)
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Keywords | 言語学 / 生得的言語知識 / 領域固有性 / 言語習得 / 脳科学 / 光トポグラフィー |
Research Abstract |
ヒトの生得的言語知識がこころの特定の領域に存在しているという仮説、また、この領域固有であると考えられるヒトの生得的言語知識はその機能によって下位部門に区分されており、それぞれの下位部門も領域固有であるという仮説を、言語心理学的手法及び脳科学的手法(光トポグラフィー)を用いて、言語心理レベルと脳レベルの両面から検討することが、本研究の目的である。先ず、平成18年度は、平成17年度に引き続き、人間に生得的に備わっている普遍的言語知識の下位部門である(a)文要素の配列を司る「統語部門」と(b)文要素の音声・音韻情報の出力先である「音声・音韻部門」とのインターフェースに関して、言語心理学の観点から検討した。すなわち、(i)音声・音韻部門と統語部門とのインターフェースに関わっていると考えられており、ヒトの言語の普遍的な特徴を示していると考えられる現象、つまり、音声・音韻上の特徴と文要素配列との相互関連が観察され得る現象を特定し、その正確な記述及び説明を理論言語学の立場から行った後、(ii)言語心理学研究の手法を用いることにより、理論言語学における研究結果の妥当性を検証する言語心理実験を行った。その結果、以上の現象が、幼児の言語知識において観察し得る最も初期の段階から存在していることを、言語習得研究の手法を用いることにより、明らかにすることができ、その成果を論文として発表した。次に、生得的言語知識の脳レベルにおける領域固有性を検証するための検討を行なった。先行研究を参考にしつつ、光トポグラフィーを用いた実験に用いる言語刺激とその提示方法、また脳の計測部位等について検討し、言語における移動現象に関する実験を、成人の被験者対象に行った。その結果、移動に関する言語知識の領域固有性を明らかにすることができた。平成18年度末現在、平成19年度に実施する幼児を対象とした実験に向けての実験デザインが出来上がりつつある。
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Research Products
(6 results)