2005 Fiscal Year Annual Research Report
古代ナム語の新研究:宇音検索ツールとチベットビルマ語データベースによる解析の試み
Project/Area Number |
17320063
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池田 巧 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (90259250)
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Keywords | Nam Language / チベットビルマ諸語 / 川西走廊諸語 / 蔵漢対音資料 / 敦煌チベット文献 |
Research Abstract |
■ナム語文献の確認 F.W.Thomasが紹介した古代Nam語文献は、英国のBritish Libraryに所蔵されており、現地に赴いてスタイン収集の敦煌チベット文献に含まれる当該文書の写本を精査し、校訂本作成のために必要な基本調査と写真撮影を行った。またフランスの国立図書館に所蔵されるペリオ収集の敦煌チベット文書に含まれる未知の文献数点を調査した中に、BL所蔵の文献の言語と同じ特徴をもつものがあり、1点が古代Nam語文献であることを確認し得た。この文献についても写本を精査して、校訂本作成のために必要な基本調査と写真撮影を行なうことができた。 ■関連資料の収集 校訂本の作成ならびに解析の基礎作業として、古代Nam語文献についての研究書ならびにF.W.Thomasの研究に対する書評や批判論文などの諸資料を収集したほか、西夏語を含む古代のチベットビルマ諸語の復元に関する文献資料、四川省の川西民族走廊に分布する羌語支の諸語についての研究資料を収集した。 ■研究基盤の整備 解読のためのツールとして中古中国語の音韻範疇の索引《古今字音対照手冊》および《漢字古音手冊》、蔵漢対音資料の索引を電子テキスト化するための仕様の検討と策定を行い、台湾の専門業者とのあいだで入力作業の準備と今後の進行についての打ち合わせを行なった。
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