2006 Fiscal Year Annual Research Report
話し言葉の理解における複合語処理の認知神経機構の解明
Project/Area Number |
17320064
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
酒井 弘 広島大学, 大学院教育学研究科, 助教授 (50274030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮谷 真人 広島大学, 大学院教育学研究科, 教授 (90200188)
中條 和光 広島大学, 大学院教育学研究科, 助教授 (90197632)
藤木 大介 広島大学, 大学院教育学研究科, 助手 (60403599)
小泉 政利 東北大学, 大学院文学研究科, 助教授 (10275597)
牧岡 省吾 大阪府立大学, 人間社会学部, 助教授 (60264785)
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Keywords | 心理言語学 / 認知心理学 / 言語神経科学 / 言語の生物学的基盤 / 非侵襲的脳活動計測 / 国際研究者交流 / アメリカ |
Research Abstract |
母語話者が音声提示された複合語を理解する過程でどのような逐次処理が遂行されているのか、その認知過程と神経基盤を明らかにすることを目的として,複合名詞及び複合述語の処理に関する行動実験,眼球運動計測実験,脳機能イメージング実験及び,複合語の統語的・意味的特性に関する理論言語学的研究を実施した.行動実験実施に必要とされる,文処理に関する最新の研究情報の提供を受けるため,アメリカ合衆国アメリカン大学の青島幸子助教授を招聘してセミナーを実施した.提供を受けた情報を活用し,複合述語を含む文処理研究の一環としい,不定従属節を含む文の処理に関して文完成課題を用いた実験を実施した.朱行研究において指摘されていた一般的制約に加えて,動詞の定不定及び項となる名詞旬の語順が処理に影響を与えることを発見し,国際学会であるCUNY Conference on Human Sentence Processing 2007において成果を発表した.複合語の音声的特徴である「連濁」現象が,語彙の逐次的処理に有効な手がかりとなるか否かを探る眼球運動計測実験を実施し,取得したデータの解析を実施中である.音声呈示された複合語処理の脳機能イメージング実験では,前年度に取得したデータを分析した結果,側頭葉上側頭回が処理に深く関わること観察し,日本認知科学会第23回大会において口頭発表した.理論言語学的研究においては,日本語敬語文および敬語名詞句の統語構造に関する研究を実施し,敬語文研究に関する成果を論文にまとめて,当該分野を代表する国際的学術誌Journal of East Asian Linguiticsに採択された.敬語名詞句に関する研究論文一編を完成させ,国際的学術誌に投稿して現在審査中である.
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