2007 Fiscal Year Annual Research Report
統合的レキシコン理論の開発と言語学教育への応用研究
Project/Area Number |
17320067
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
影山 太郎 Kwansei Gakuin University, 文学部, 教授 (80068288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦 啓之 関西学院大学, 文学部, 教授 (40283816)
杉岡 洋子 慶応義塾大学, 経済学部, 教授 (00187650)
岸本 秀樹 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (10234220)
由本 陽子 大阪大学, 大学院・言語文化研究科, 教授 (90183988)
中谷 健太郎 甲南大学, 文学部, 准教授 (80388751)
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Keywords | 辞書情報 / 語彙概念構造 / クオリア構造 / 語彙意味論 / 複合語 / 多義性 / 結果構文 / 統語構造 |
Research Abstract |
本研究課題は語彙理論の開発とその教育面への応用という2つの側面を持つ。理論研究に関しては次のような成果を挙げ,国内外の専門誌および学会大会で発表した.[影山]統語構造と意味構造の関わりに関して,諸言語の結果述語の分布が動詞の辞書情報に基づく含意的階層によって決まることを実証し,またこの意味的な階層が英語における結果述語の統語的移動の可否を左右することを明らかにした。形態論と統語論・意味論の関わりについては,動作主を取り込む特殊な複合語が属性叙述の機能を持つことを解明した。[浦]日本語の非標準的格付与現象にアスペクトが関与することを示した。[松本]使役移動と結果構文について検討を進めた。[岸本]動詞と「ない」が結合して複合形容詞になる過程を考察することによって,日本語の否定語「ない」が機能範疇として機能する場合と,文法化する以前の意味機能を保っているものがあることを明らかにした。[杉岡]認識動詞を含む日本語複雑述語の統語的特性と英語の類似構文との異同を考察し,また,複合語の枝分かれ方向と再帰性や生産性との関係を明らかにした。[由本]既存の名詞・形容詞・動詞から新たに動詞や形容詞を作る際に働く項の具現化のメカニズムを明らかにした。[板東]日本語の打撃動詞が様々な名詞句と共起して多義性を生み出すメカニズムを語彙概念構造とクオリア構造によって考察した。[中谷]形容詞的「テイル」の意味を語用論的前提と論理的含意の対立という観点から分析した。[小林]「新築,増築」などの動詞的名詞の意味分析を行った。また,本研究から得られた理論的・記述的知見を言語学教育に応用することに関しては,ほぼ毎月一回の頻度で研究集会を開き,出版を予定している2冊の解説書(『動詞と形容詞の意味と構文』,『動詞と名詞の意味と構文』)の原稿を批判的に検討しあう作業を進めた。
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Research Products
(46 results)
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[Journal Article] Japanese2008
Author(s)
Kageyama, Taro
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Journal Title
Rochelle Lieber and Pavol Stekauer(eds.)The Oxford Handbook of Compounding.Oxford University Press (印刷中)
Peer Reviewed
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[Journal Article] On verb raising2008
Author(s)
Kishimoto, Hideki
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Journal Title
Shigeru Miyagawa and Mamoru Saito(eds.)Handbook of Japanese Linguistics Oxford Uni-versity Press (印刷中)
Peer Reviewed
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