2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17320072
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
野田 尚史 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (20144545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 隆 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00161993)
高山 善行 福井大学, 教育地域科学部, 助教授 (90206897)
岸江 信介 徳島大学, 総合科学部, 教授 (90271460)
金澤 裕之 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (00201426)
尾崎 善光 国立国語研究所, 開発部門第二領域, 主任研究員 (10204190)
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Keywords | 日本語 / 対人配慮 / 多様性 / 文法形式 / 通時性 / 地域差 / 世代差 / 変異 |
Research Abstract |
本プロジェクトの目的は、日本語の対人配慮表現を、歴史的・地域的・社会的な観点から体系的に把握することである。そこで、今年度は、個々に深化していた各研究分野の第一人者を本プロジェクトのもとに集結させ、研究分野間の学術的相互認識と、研究課題などの情報交換の体制を築き上げることが最大の目標であった。 この目標を達成するべく、本年度は2回の研究合宿を実施した。1回目の合宿は、長野県松本市で8月17日〜19日に行われた。その場では、「配慮を表現する」という機能性を、どのような言語形式が担うかについて検討がなされた。また、現代の地域的バラエティと通時的なバラエティとを関連させながら、日本語の配慮表現を体系的に整理する方法について議論され、このテーマが本プロジェクトの目的としてメンバーに共有された。さらに、分担者・協力者による問題提起があり、古典語の文法形式(たとえば「む」「めり」)の配慮表現としての機能性、敬語形式の方言による発達の違い、階級性、分析方法などについての提案・報告がなされた。また、この後にも、メーリングリストを利用したメンバー間の議論がなされ、研究分野間の学術的相互認識と、研究課題の共有という本年度のプロジェクトの目標が達成されつつある。 2回目の合宿は、静岡県熱海で3月15日〜17日にかけて実施された。ここでも、分担者数名による問題提起があった1。敬語の人称性、狂言の終助詞、テレビメディアでの丁寧語使用など、各分担者の関心事が、さらにメンバーに共有されるにいたった。合宿の後半は、メンバーによる数多くの問題提起を踏まえ、次年度に向けた言語資料収集・フィールドワークの実施について、具体的な計画・立案がなされた。
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Research Products
(12 results)