2006 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚刺激および視覚刺激による漢字・語彙能力と文法能力の差異の研究
Project/Area Number |
17320077
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
酒井 たか子 筑波大学, 大学院人文社会科学研究科, 助教授 (40215588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
カイザー シュテファン 筑波大学, 大学院人文社会科学研究科, 教授 (20260466)
西村 よしみ 筑波大学, 大学院人文社会科学研究科, 教授 (40208228)
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Keywords | 聴覚 / 音声 / 語彙問題 |
Research Abstract |
外国人学習者の第二外国語としての日本語習得研究の一側面として特徴的な日本語の文字と音の関係を明らかにするための研究を進めている。本年度は以下のことを行った。 1.上級日本語学習者の聞き誤り 上級学習者を対象に、さまざまなジャンルおよびタイプの音声資料を聞き取らせ、困難な点や聞き誤りについてのデータ収集を行った。さらにその原因を探るために学習者にプロトコル分析を行った。音声的な面、語彙の新密度の側面、文法の予測、他の単語との関連からの推測など複雑な要因が関わっており、さらに条件を変えた調査を行う必要があることが分かり19年度の調査計画を進めている。 2.予測に関する研究 ある文を途中まで読んだり聞いたりしたときに続くものの予測が、文字で与えた場合と音声で与えた場合でどのように違うかを知るための調査を行った。上級学習者と日本人母語話者との比較では、上級学習者では後ろから戻って修正することが難しいことが分かった。 3.プレースメントテストの再分析 これまでに実施したプレースメントテストの結果を分析し直している。DIF(Differential Item Functioning)では、母語別の習得の特徴も明らかになりつつある。576名。母語別では中国語188名、韓国・朝鮮語142名、英語55名、タイ語27名、スペイン語21名、モンゴル語18名、ベンガル語12名、スロベニア語12名、ロシア語11名、その他89名。 4.新しい語彙、文法問題の作成 平成19年度に実施予定のテストを、これまでの研究を利用しながら作成している。 5.語彙教育への示唆として、「音変化」の教育に関する論文を出版した。
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