2007 Fiscal Year Annual Research Report
近世巨大都市大坂の形成と変容に関する基盤的研究-法と現実、中心と周縁の視点から-
Project/Area Number |
17320102
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
塚田 孝 Osaka City University, 大学院・文学研究科, 教授 (60126125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩城 卓二 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (20232639)
森下 徹 山口大学, 教育学部, 准教授 (90263748)
佐賀 朝 桃山学院大学, 経済学部, 准教授 (40319778)
町田 哲 鳴門教育大学, 学校教育学部, 准教授 (60380135)
八木 滋 財団法人大阪市文化財協会, 大阪歴史博物館, 学芸員 (70311446)
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Keywords | 巨大都市 / 大坂 / 都市法制 / 社会構造 / 周縁 / 町触 |
Research Abstract |
今年度も昨年度に引き続き、大坂町触を中心とした都市法の基礎的な検討と、【法と社会】の視点からの大坂の都市社会構造に関する調査・研究が中心となった。 1.17世紀町触の輪読会を計7回実施し、京都大学所蔵杉山家文書中の「大坂御仕置御書出之写」の輪読を行った。会では、史料の解読・解釈および『大阪市史』町触などとの関連のほか、幕令や江戸や京都町触との相互関係等の考察や触の時期的な変遷の考察に重点を置いた。さらに、新規収集史料「古記録」に基づき江戸の幕閣との対応も視野に収めた。 2.近世大坂研究会を計3回(公開)開催した。都市の周縁的社会集団や地域史研究の方法を考えるものをおこなった。この他、年度後半に大坂の都市史を近世史研究全体の動向に位置づけるため、集中的に都市史、生産・流通史、身分的周縁、地域史などを検討する場をもった(分担者と協力者に限定)。 3.史料調査及び収集としては以下のことを行った。 (1)熊本大学付属図書館寄託永青文庫(細川家文書)の大坂関係古文書の調査および写真の収集 近世初期の大坂城普請、蔵屋敷などに関する新たな知見を得た。 (2)国立公文書館所蔵内閣文庫の大坂関係古文書(「古記録」)の調査および写真の収集 老中などから大坂城代・町奉行への通達文書などから触れの伝達などについて新たな知見を得た。 (3)大阪歴史博物館所蔵「大阪三郷町絵図」「安井家文書」の調査および写真の収集 17世紀中ごろの大坂の空間構造について新たな情報を得た。 (4)九州大学法学部付属図書館所蔵大坂関係古文書の写真収集 4.2006年4月に開催したシンポジウム「近世大坂の法と社会」の成果および上記町触輪読会の成果を『近世大坂の法と社会』として編集し、刊行した。(研究代表者と研究分担者の安竹貴彦・岩城卓二・森下徹・八木滋および研究協力者が執筆)
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Research Products
(14 results)