2005 Fiscal Year Annual Research Report
近代中国における専制政治から立憲政治への移行と行政システムの変容
Project/Area Number |
17320109
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
曽田 三郎 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40106779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 肇 下関市立大学, 経済学部, 教授 (70194917)
水羽 信男 広島大学, 総合科学部, 助教授 (50229712)
丸田 孝志 広島女学院大学, 生活科学部, 助教授 (70299288)
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Keywords | 専制政治 / 立憲政治 / 行政システム |
Research Abstract |
本研究の目的は、一貫する観点を憲政史に設定し、清末から中華人民共和国成立までの中国近代史を再構成することにある。中国における憲政の導入については、とくに清末に関してこれまで多くの研究が蓄積されてきた。清末の憲政準備に関するこれまでの研究は、国会等の議会制度の樹立にもっぱら焦点をあててきたが、専制政治から立憲政治への移行にあたっては行政制度の整備と運用も重要な課題となる。とくに中国には明清以来、世界に類を見ないような省という広域の地方行政区域があった。したがって中央の行政制度だけでなく、省の行政制度、それに行政制度の運用をめぐる中央-省関係の分析が必要となってくる。こうした研究枠組みの有効性を確認し、研究参加者がそれぞれの課題を設定して具体的な作業を進めるために、国内において3回の研究打ち合わせ会を開くとともに、中国社会科学院近代史研究所の聞黎明研究員の協力を得て同研究所で研究発表会を開催し、研究の全体的遂行計画と個別の課題について批評を受けることができた。研究代表者である曽田三郎の役割分担は全体の総括のほかに、清末・中華民国初期を対象とする君主専制から立憲制への移行にともなう行政システムの変容を検討することにあるが、とくに日本および日本人顧問との関係に着目して史料の収集と分析を進めた。研究分担者の金子肇と水羽信男の役割分担は、北京政府期から国民政府期にかけての行政システム分析と中国近代知識人の憲政論を研究することにあるが、前者は孫文の中国社会統治構想に関する、後者は知識人の西洋自由主義受容に関する史料の収集と分析を進めた。同じく分担者の丸田孝志は中国共産党根拠地における文化統合政策に関する史料の収集と分析を行った。
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Research Products
(4 results)