2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヨーロッパにおける宗教的・密儀的な団体・結社に関する比較社会史的研究
Project/Area Number |
17320116
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
深沢 克己 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 教授 (60199156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 万里子 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 名誉教授 (90011329)
河原 温 首都大学東京, 都市教養学部, 助教授 (70186120)
北村 暁夫 日本女子大学, 文学部, 助教授 (00186264)
西川 杉子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教授 (80324888)
千葉 敏之 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (20345242)
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Keywords | 西洋史 / 社会史 / 宗教史 / 秘密結社 / 儀礼 / フリーメイソン / 兄弟団 / 神秘主義 |
Research Abstract |
平成18年度の研究活動においては、各研究分担者が資料の収集と調査活動を継続し、3回にわたる研究会の場で現時点での研究成果を報告した。それを踏まえて、今後の活動計画と本研究課題の最終的な方向性について討議した。 今年度の海外調査の実施状況は以下のとおりである。フランス(深沢)、イギリス(西川、桜井、勝田)、チェコ(篠原)、マルタ(西川)、ギリシャ(桜井)、イタリア(北村、千葉)。 研究会においては、各研究分担者が現時点での成果を報告し、意見交換を行った。具体的には、18世紀マルセイユのフリーメイソン(深沢)、古代ギリシャにおけるエレウシス秘儀(桜井)、19世紀アイルランドのオレンジ団(勝田)、15世紀ブルッへの「乾木の兄弟団」と「雪のノートルダム兄弟団」(河原)、ファシズム期の亡命イタリア人とフリーメイソン(北村)、マルタ騎士団(西川)、初期中世における秘儀・神秘思想と政治理念(千葉)、18世紀末チェコ農村における宗教的異端(篠原)。いくつかについては、日本西洋史学会大会や史学会大会などの場でも研究発表をおこなった。 本研究課題の今後の方向性に関しては、研究代表者により、「結社」や「アソシアシオン」の議論との差別化を図りつつ、秘教思想・参入儀礼・社交団体など、複数の論点を柱としながら全体を統括する論理的骨格を検討する提案がなされ、最終年度の課題とされた。これにより各人の研究を有機的に連関させながら、全体の研究成果をまとめる作業に取り組む予定である。 また本年度は、フランス・フリーメイソンの基本的な研究雑誌であるRenaissance Traditionnelleのバックナンバーを購入したが、この雑誌の完全なコレクションはわが国で最初にして唯一といってよく、国際的水準の研究を実現するためにきわめて有益な環境が作られつつあると確信するものである。
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Research Products
(7 results)