2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本列島北部の更新世/完新世移行期における居住形態と文化形成に関する研究
Project/Area Number |
17320121
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 宏之 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50292743)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 誠一郎 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (20137186)
安斎 正人 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教 (60114360)
吉田 邦夫 東京大学, 総合研究博物館, 助教 (10272527)
|
Keywords | 考古学 / 先史学 / 生態学 / 更新世 / 居住形態 / 旧石器代 |
Research Abstract |
更新世/完新世移行期は,全地球規模の環境変動に伴う人類史上の一大画期である。北海道を中心とする列島北部は,本州以南がいち早く縄文化した後も,約5000年間にわたって旧石器時代的な遊動生活が継続していた。この間特異な文化形成が行われていたと推定されているが,その実態は十分には解明されていない。その具体的な内容について,主として遺跡に残された居住形態の痕跡から,往時の人間集団によって採用されていた生業,生活行動戦略の実態を解明し文化形成の内実を明らかにすることを目的としている。 研究第三年度にあたる平成19年度は,昨年までの研究に引き続き,調査と資料整理を継続して実施した。10月には昨年度予備調査を行った北見市吉井沢遺跡の本調査を実施し,道内では例が少ない未撹乱の文化層から,後期細石刃石器群期に唇する忍路子石器群の良好な遺物集中の検出に成功した。1〜2月にかけて,同遺跡の予備的な資料整理を行い,17年度に調査した富良野市東麓郷1遺跡の基礎整理と分析をほぼ終了した。また東京大学が所蔵する北見市紅葉山遺跡出土資料の分析を継続して行っている。これらの成果は,プロジェクト終了時に刊行を計画している成果報告書に収録を予定している。 また,昨年度に引き続き,4月に東京大学において,全国から第一線で活躍している研究者を集めた公開シンポジウム『縄文文化の成立-草創期から早期へ-』を開催した。予稿集を刊行したが,昨年度と今年度の二回のシンポジウムの成果を合わせた形で,本年5月に論集『縄文化の構造変動』(六一書房)を刊行する予定である。
|
Research Products
(27 results)