2005 Fiscal Year Annual Research Report
瀬戸内-中国山地-日本海地帯のサヌカイトと隠岐産黒曜石利用からみた先史物流の形成
Project/Area Number |
17320124
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
竹広 文明 広島大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (60252904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古瀬 清秀 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70136018)
藤野 次史 広島大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (20144800)
野島 永 広島大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (80379908)
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Keywords | 考古学 / 先史学 / サヌカイト / 黒曜石 / 先史物流 / 旧石器時代 / 縄文時代 / 弥生時代 |
Research Abstract |
平成17年度は、下記1,、2,および3.の研究をおこない、以下の研究成果を得た。 1.サヌカイト・隠岐黒曜石原産地遺跡の調査 従来、原産地遺跡の状況が未解明であった隠岐黒曜石原産地において分布調査、試掘調査を実施した。試掘調査は、隠岐の島町加茂黒曜石原産地において約10日間で実施し、石器、剥片類が検出でき、原産地遺跡であることを確認できた。遺物には、細石刃や槍先形尖頭器の破片の可能性が考えられる資料が認められ、旧石器時代の遺跡と推測しているが、今後、明確な特徴の遺物を探索し、性格を明確にしていく必要がある。 2.瀬戸内-中国山地-日本海地帯を中心としたサヌカイト・隠岐産黒曜石利用遺跡の資料調査 旧石器時代から弥生時代におよぶ遺跡の石器石材利用、サヌカイト・黒曜石利用状況の調査を中心に行い、広島県をはじめ、岡山県、島根県、愛媛県などの出土資料について調査をおこなった。そして研究発表欄に示すような成果が得られた。 3.帝釈峡遺跡群の発掘調査によるサヌカイト・隠岐産黒曜石の搬入・利用状況の調査 広島県帝釈峡遺跡群について、庄原市久代東山岩陰遺跡、神石高原町帝釈大風呂洞窟遺跡において、8〜9月に約1月間、発掘調査を実施した。久代東山岩陰遺跡については、遺跡全体の堆積層序の確認をおこなうとともに、縄文〜弥生時代の土器、石器類等を検出した。帝釈大風呂洞窟遺跡については、本年度は縄文時代包含層上部の調査に留まった。これらの調査および遺跡群出土資料の整理により、サヌカイト・隠岐産黒曜石資料についての基礎的データを得た。発掘調査の成果は、本学帝釈峡遺跡群発掘調査室年報にまとめ、印刷中である。
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Research Products
(4 results)