2005 Fiscal Year Annual Research Report
弥生時代における北部九州と朝鮮半島における交流史の考古学的研究
Project/Area Number |
17320125
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宮本 一夫 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (60174207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 良之 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (50128047)
岩永 省三 九州大学, 総合研究博物館, 教授 (40150065)
溝口 孝司 九州大学, 比較社会文化研究院, 助教授 (80264109)
辻田 淳一郎 九州大学, 人文科学研究院, 講師 (50372751)
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Keywords | カラカミ遺跡 / 壱岐 / 対外交流史 / 弥生時代 / 環濠集落 / 先史漁撈 / 東亜考古学会 |
Research Abstract |
1.1952年の東亜考古学会によるカラカミ遺跡の発掘資料の整理を初め、I・IIで出土した資料の接合関係やマーキングなど基礎的な整理作業を行い、一部実測を始めた。 2.壱岐カラカミ遺跡で9月に発掘調査を行った。その結果、カラカミ遺跡の東山麓沿いにも環濠が続くことが明らかになるとともに、カラカミ遺跡の集落範囲が予想以上に大きいものであることが明かとなった。 3.カラカミ遺跡は、カラカミ神社の丘陵北麓を基点として、南側丘陵斜面を逆V字状に環濠が延びることが明らかとなり、集落の主体部分が想定できるようになった。 4.カラカミ遺跡は弥生中期の須玖1式に始まり、弥生終末期まで続く壱岐の拠点集落であるが、壱岐原の辻遺跡より、新しい段階から始まっていることが確かめられた。 5.この調査により、1952年の東亜考古学会が調査したI区(辻屋敷貝塚)の調査区(トレンチ)の跡を発見することができ、当時の調査位置を確認するとともに、九州大学で所蔵している東亜考古学会のカラカミ遺跡発掘調査資料を分析する手がかりとすることができた。 6.調査後は、遺物整理作業を行い、基礎的な整理を終えるとともに、初歩的な調査成果をまとめ、壱岐市教育委員会を通じて長崎県教育委員会へ提出した。
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