2006 Fiscal Year Annual Research Report
日本古代手工業史における埴輪生産構造の変遷と技術移転から見た古墳時代政治史の研究
Project/Area Number |
17320127
|
Research Institution | Tokyo National Museum |
Principal Investigator |
古谷 毅 独立行政法人国立博物館東京国立博物館, 文化財部, 主任研究員 (40238697)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
犬木 努 大阪大谷大学, 文学部, 助教授 (40270417)
|
Keywords | 考古学 / 古墳時代 / 埴輪生産 / 古代手工業史 / 技術移転 |
Research Abstract |
本年度は、第2ヶ年目として、九州・近畿・東海・中部地方の主要古墳を調査した。 現地調査では、出土資料の悉皆的な分類・分析を徹底して行い、出土埴輪および土器・土製品の組成を把握すると共に、埴輪製作における製作技術と使用工具等の比較研究を行うために、調書作成と実測・写真撮影による観察記録の作成および資料化を行った。 対象資料は、宮崎県西都原169号墳・和歌山県車駕之古趾古墳・京都府蛭子山1号墳・愛知県味美二子山古墳・静岡県堂山古墳・山梨県豊富大塚古墳・三珠大塚古墳など、古墳時代前期末頃から後期期初頭の典型例を分析することができた。また、古墳時代中期の基準資料である東京国立博物館および宮崎県教育委員会所蔵の西都原169墳出土埴輪の整理および調査・分析を進めた。資料調査においては、各地の研究協力者の協力を得て、調査精度の向上と効率化を図った。 一方、これまでの研究成果を共有すると共に、調査研究方法・研究課題を明確にするために、研究協力者の協力を得て、3回の研究集会を実施した。研究集会は、平成18年5・11月と平成19年2月に、東京国立博物館および宮崎県西都市・愛知県春日井市において、日本古代史研究者を招聘して開催し、事例研究と研究成果の検討・意見交換を行った。 このほか、これまでに収集した資料との比較・検討も進めた。 収集した調書・写真・実測図などの資料は、ファイルに分類するなどして整理・保存した。各種分析データや出土古墳のデータなどは、パソコンに入力して簡単な統計処理を施し、データの整備に努めた。なお、以上の作業は、研究支援者を雇用して実施し、作業の能率化を図った。
|