Research Abstract |
2006年度の研究はほぼ計画通りに進められ,大きく4つの研究実績をあげることができた。 第1に,2005年度に続いて国内では介護施設で働く女性の就業と生活,保育と女性就業に関する調査を実施し,海外では海外で働く場を求めた女性の就業と生活について,シンガポールを事例として研究協力者のThang助教授(シンガポール国立大)との共同研究を由井・中澤・神谷が中心となって実施した。シンガポールでの調査は,シンガポールで働く日本人女性への聞き取り調査,人材紹介業者への聞き取り調査,日系企業の人事担当者への聞き取り調査を行った。その成果は日本地理学会2006年度秋季大会で神谷,由井,中澤が発表,2006年10月にシンガポール国立大学での学会で神谷,若林が発表し,さらに2007年3月にシンガポール国立大学で開催された「Mobile City Singapore」をテーマとしたワークショップで,由井と中澤が発表した。また,7月には国際地理学連合(IGU)プリスベン大会にて,由井,神谷,中澤,武田が女性就業と生活の多様性をテーマにして発表した。 第2に,研究成果の刊行では,女性就業や住宅問題について『Geographical review of Japan』(vol.76,No.5)に中澤,若林,神谷ほか,由井の投稿論文4編が掲載された。さらに,2004年度に当研究グループが主体となって開催した地理科学学会シンポジウムの成果を学術雑誌『地理科学』(63巻3号)に論文5編を掲載した。 第3に,これまでの研究成果を発展させて,武田を中心にして全メンバーがジェンダーアトラスの作成に取り組み,『地図でみた日本の女性』(明石書店)を出版した。これに関連して,由井・神谷・若林・中澤・武田が『Geographische Rundschau』で日本社会における女性の変化をテーマとした論文を投稿して掲載された。 第4に,矢野はロンドンで働く日本人女性のコミュニティーの調査を行った。
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