2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17330005
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
青柳 幸一 筑波大学, 大学院・ビジネス科学研究科, 教授 (50150941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 静雄 筑波大学, 大学院・ビジネス科学研究科, 教授 (30190094)
藤井 樹也 筑波大学, 大学院・ビジネス科学研究科, 助教授 (20273344)
渡井 理佳子 日本大学, 大学院法務研究科, 助教授 (40386090)
小宮 信夫 立正大学, 文学部, 助教授 (60339603)
井上 禎男 名古屋市立大学, 大学院・人間文化研究科, 助教授 (50346748)
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Keywords | 安全および予防 / 先端科学技術 / 人間の尊厳 / 生命権 / 生命倫理 / ユビキタス社会 / 個人情報保護 / 情報公開 |
Research Abstract |
1.先端科学技術と人間の尊厳・生命権 先端科学技術の惹起する法的問題においても、「鍵概念」は、人間の尊厳である。とりわけ、基本法の冒頭に明文で規定されているだけに、人間の尊厳をめぐる公法理論が最も深められているドイツの議論を研究した。近時の生命科学技術の驚異的な進展によって惹起された問題に直面して、「人間の尊厳」条項に関するコンセンサスさえも揺らいできている。生命科学技術が惹起している個別的・具体的問題の解決のための前提となる人間の尊厳・生命権の原理論を考察する。 2.安全・予防の公法理論と政策論 (1)3カ所での実地調査を行った。昨年の日本で最もヒトが集まった場所での安全対策を見るために、愛知万博会場、そして中部国際空港の実地調査を行った。そして、監視カメラを最も多く設置している大都市であるロンドンで、実地調査を行った。安全性への意識が高まっている現実と、安全・犯罪予防にとって、人々の自由やプライヴァシを過度に侵害せずに、安全と予防という目的を達成する方策を検討する、「立法事実」の一部を知ることができた。 (2)愛知万博警備担当者、そして中部国際空港警備担当者との検討会をもった。研究会では、安全・予防に関して小宮氏による報告があった。この報告も踏まえて研究成果が、後記のように、1冊の本となった。安全・予防の実践的理論)犯罪に強いコミュニティデザインを提唱している小宮氏は、多くのメディアに登場すると同時に、全国規模で講師に招かれ、その犯罪機械論、「割れ窓」論論を広め、犯罪予防に実践的に貢献している。 3.ユビキタス社会と情報 (1)研究会では、井上氏が「フランスにおける個人情報法と情報公開制度」について報告し、非常に詳細な報告テーマに関する「過去と現在」の制度と理論を知ることができた。 (2)青柳、藤原氏、藤井氏が中心となって、「ユビキタス社会における新しい法的問題」をテーマに筑波大学法科大学院公開講座を開催した。本研究の成果をも踏まえて、「情報公開と個人情報保護の交差点」(青柳)、「情報公開と個人情報をめぐる実務的問題」(藤原)、「表現の自由と現代的課題」(藤井)を取り上げた。
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Research Products
(9 results)