2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17330005
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
青柳 幸一 University of Tsukuba, 大学院・ビジネス科学研究科, 教授 (50150941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 静雄 筑波大学, 大学院・ビジネス科学研究科, 教授 (30190094)
藤井 樹也 筑波大学, 大学院・ビジネス科学研究科, 准教授 (20273344)
渡井 理佳子 日本大学, 大学院・法務研究科, 教授 (40386090)
小宮 信夫 立正大学, 文学部, 教授 (60339603)
井上 禎男 名古屋市立大学, 大学院・人間文化研究科, 准教授 (50346748)
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Keywords | 安全および予防 / 先端科学技術 / 人間の尊厳 / 生命権 / 生命倫理 / ユビキタス社会 / 環境 |
Research Abstract |
1. 先端科学技術と人間の尊厳 (1)青柳は、憲法学において必ずしも明確ではなった自己決定権の意義・内容等を再定位し、代理母や出生前診断等の具体的問題に関する憲法学からの応答を示す。 (2)青柳のドイツ語論文は、人間の尊厳をめぐる西欧諸国間およびそれらと日本との相違点を浮き彫りにし、先端科学技術問題に対する新たな基本的視座を提示する。 2. 安全・予防の公法理論と政策論 (1)小宮教授は、著書・編著・論稿において、犯罪予防の具体策を提示・実践し、犯罪予防に一定の効果を挙げている。 (2)藤井准教授は、9.11後のアメリカ憲法理論の動向を概観し、それが日本の憲法理論に及ぼす影響について検討する。 (3)藤原教授による2本の翻訳は、ドイツにおけるテロ犯罪予防をめぐる理論と政策を明らかにし、そしてドイツに暮らす外国人のドイツ社会への融合とテロ予防という課題を果たすためのドイツ外国人法の内容を伝える。 3. ユビキタス社会と情報 (1)藤原教授の業績は、個人情報保護法の見直し作業に貢献する。井上准教授は、情報公開条例における「公務員に関する情報」の開示問題に関して、個人識別型とプライバシー型という異同を超える判例理論を検討する。 (2)井上准教授は、放送と通信の融合に関する新たな制度設計のための検討を行う。 4. 環境保全 (1)青柳は、環境権について憲法の観点から現実と理論の架橋を目指し、広く深い検討の必要性を主張する。 (2)井上准教授は、行政法の観点から政策にまで及んで環境保全の方策について検討する。 この2つの研究は、すべての生命体の生存それ自体を脅かしかねない地球規模の環境破壊への予防策が緊喫の問題となっている今日、新たな段階に入った環境保全のための理論と政策の構築のために意義がある。
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Research Products
(18 results)