2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17330006
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
多賀谷 一照 Chiba University, 法経学部, 教授 (40114293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米丸 恒治 神戸大学, 法学研究科, 教授 (00202408)
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Keywords | 行政 / 情報化 / オンライン / ワンストップ / e-文書 / 電子化 / 行政法 / ネットワーク |
Research Abstract |
行政の情報化と法的諸課題について,引き続き研究した結果,いわゆる「情報セキュリティ」として技術的な面から検討されている課題が,法的なそれと表裏の関係にあるにも拘わらず,その関連づけが十分になされていないことが明らかになった。 従来の法学での研究は,セキュリティと民事責任,あるいは保険の法理については論じられており,またフォンジックとして鑑識や刑事訴訟との関連も検討されはじめているが,公法理論においては殆ど検討されていない。セキュリティの三要素である「守秘」「真正性」「可用性」のうち,第一の守秘は法的整理と結びつくとしても,真正性を「(電子)公証」「証憑」と結びつけ,可用性を電子政府や電子自治体の実効的な展開と結びつける必要性があることが明らかになった。今後,これらの法理を技術的要請と連動させつつ展開していくことが,行政情報システムを制度として社会に組み込む上で必要不可欠であろう。 また,電子政府化や,電子的行政手続の実現に伴って,それを支える基盤的法制度の整備が必要となるが,とりわけ,電子署名およびタイムスタンプの技術を長期的な検証可能性を保って利活用していく法制度としくみの実現が重要であることが,ドイツの動向との比較研究により,明らかとなった。とりわけ,タイムスタンプに関する規定を持たず,長期的な検証可能性に対する対応が必ずしも十分でない,わが国の電子署名関連法制について,法改正や行政指導等による対応の必要性をあきらかにすることができた。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] (法令工学と)実定法学の論理構成2007
Author(s)
多賀谷 一照
Organizer
北陸先端技術大学院大学COEシンポジウム
Place of Presentation
北陸先端技術大学院大学東京サテライトキャンパス
Year and Date
2007-09-07
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より