2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17330031
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
大西 直樹 International Christian University, 教養学部, 教授 (80152198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 いずみ 大東文化大学, 法学部, 教授 (00185563)
森本 あんり 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (10317349)
佐々木 弘通 成城大学, 法学部, 准教授 (70257161)
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Keywords | ピューリタニズム / 政教分離 / 第一次大覚醒運動 / 第二次大覚醒運動 / 信教の自由 / 権利章典 / 最高裁判決 / 連邦憲法 |
Research Abstract |
小倉いずみ:吸収大学で開催された九州アメリカ文学会年次大会において企画されたシンポジュームにおいて「ジョン・ブラウンの屍を越えて-南北戦争とその時代」と題された論文を発表した。また、「奴隷解放運動における思想家Emersonの立場」という論文を日本アメリカ文学会第46回全国大会(広島経済大学)で発表した。 森本あんり:この一年は、アメリカ独立革命に至る植民地時代の政教分離思想とその現実形態について、資料の収集と解釈を継続的におこなった。新しく建設されようとしている社会において、少数者の人々の異議申し立てや権利の擁護がどのようになされたのかを、この時期のアメリカ社会に固有な事情として考察し、いくつかの論文にまとめた。 齋藤真:平成19年2月の月末に脳出血で倒れ、ただちに入院のうえ治療とリハビリテーションに臨んだが、平成20年1月16日に呼吸器の障害が直接の原因で死去された。 佐々木浩通:この1年の研究の重点は、「政教分離」よりも「信教の自由」のほうに置かれた。法的義務の遂行を信仰上の理由から拒否する者に対して、その法的義務の免除が憲法上要請されるかという論点について、60年代から80年代にかけての合衆国最高裁判例は、「やむにやまれぬ利益」テストを合憲性判断基準として採用していた。佐々木はこの1年、このテストの含意について考察を進めた。このテストを世俗化したものを、日本国憲法第19条の「思想良心の自由」の合憲性判断基準として採用し、その観点から日本の最高裁判決を批判的に検討した。 大西直樹はAmerican Studies Associationの年次大会に出席し、開催地となったフィラデルフィア市にあるIndependence Hallなどを調査し、連邦憲法制定に過程のなかで、政教分離がどのように意識され、権利章典として具体化されたか調査することができた。その間、ガウスタッドの名著『アメリカの政教分離』の翻訳をみすず書房から出版し、政教分離の成立とその歴史的変遷を著者と連絡をとりながらの確証作業をとおして、最高裁の凡例研究に実感することができた。
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Research Products
(5 results)