2008 Fiscal Year Final Research Report
A study of U.S. Constitution and the Separation of Church and State
Project/Area Number |
17330031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Politics
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
ONISHI Naoki International Christian University, 教養学部, 教授 (80152198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SAITO Makoto 国際基督教大学, 平和研究所, 顧問 (40009767)
OGURA Izumi 大東文化大学, 法学部, 教授 (00185563)
MORIMOTO Anri 国際基督教大学, 教授, 教養学部 (10317349)
SASAKI Hiromichi 成城大学, 教授, 法学部 (70257161)
CHIBA Shin 国際基督教大学, 教授, 教養学部 (10171943)
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Project Period (FY) |
2005 – 2008
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Keywords | 政教分離 / ピューリタニズム / アメリカ合衆国憲法 / 信教の自由 / 宗教的寛容 / 権利章典 / 修正条項第一条 |
Research Abstract |
本研究は最終年度の2009年3月に研究成果報告書『アメリカ合衆国憲法と政教分離に関する研究』を刊行した(総頁iii-140)。逝去した斎藤眞の論文を除いて、研究代表者と研究分担者、海外共同研究者の論文を収録している。この研究成果報告書は100 部印刷し、研究者に配布した。 (1) 小倉いずみ「コネチカット植民地の創設とトマス・フッカー」、1-67 頁。 本稿は1638 年にコネチカット植民地が創設された時の成立過程をウォリック・パテントから解説し、最初の成文憲法と呼ばれるコネチカット基本法(1639)について英文全文を掲載し、翻訳した。マサチューセッツ湾植民地ボストンで、創設期の神権政治の一翼を担ったのはジョン・コットンだが、トマス・フッカーは少数のエリートに権力が集中する寡頭政治を好まず、コネチカット基本法は立法によって執政官の権限を抑制し、「厳格な法的制限」を行おうとした。また公民資格の条件として教会員であることを要求せず、後の政教分離を予期させる改革を行った。 (2) David D. Hall, "Church and State in Early New England"、68-89 頁。 ジョン・コットンは政教一致を擁護した神学者だが、神学者が政治に直接関与することを好まず、むしろ学者として助言することに重点を置いた。一方、教会での破門が公民権に影響することを恐れ、常に教会と政治には境界が必要であると述べている。 "A Model of Church and Civil Power"では、教会権力はspiritual (called the power of the Keyes)で、政治権力はcivil(called the Power of the Sword)であると定義し、相互の濫用に警戒するよう忠告する。このような微妙な両者の関係を、彼の書簡やロジャー・ウィリアムズとの論争、ケンブリッジ宗教会議で明らかにした。本稿は国際基督教大学で行われた講演会の原稿である。 (3) 森本あんり「ニューイングランドにおける公定教会の変遷」、90-103 頁。 プリマス植民地のスワンシー教会を例に、一つのタウンに一つの教会を設立した公定教会の変遷を17 世紀にたどる。公定教会の基盤だった教会税の徴収と配分、タウンからの土地の配分、牧師の給与、礼拝出席の強要と寛容、などをバプテ
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ィスト教会から観察する。会衆主義のプリマス植民地でバプティストはどのように生きたのか、またなぜロード・アイランドではなかったのかについて検討しながら、政教分離と現実的問題の解決を探る。 (4) 大西直樹「プロテスタント・アメリカにおけるカトリック」、104-121 頁。 イギリス領北米植民地がアメリカ合衆国として建国された時、政教分離が合衆国憲法修正第一条に制定されるが、本研究は新国家建設には宗教的背景があったことを証明する。大陸会議では宗教が意識され、アメリカ独立戦争ではカナダや大西洋上におけるフランス軍やフランス海軍の援護があった。この背後で動いたのは、ベンジャミン・フランクリンである。プロテスタンティズム起源のアメリカ合衆国が、こうした政治状況への対応のために政教分離を認めていく過程を論ずる。 (5) 佐々木弘通「アメリカ判例研究ノート : Elk Grove Unified School District v. Newdow, 542 U.S. 1, 124 S. Ct. 2301 (2004)」122-136 頁 2000年3月、無神論者のニュウドウはカリフォルニア州東部地区の連邦地方裁判所に、カリフォルニア州エルク・グローヴ学校区等を相手取り、「神の下の」の文言は合衆国憲法修正第1条の公定制条項と自由実践条項に違反するとの訴えを提起した。当時彼の娘は同学校区の幼稚園で忠誠誓約の朗誦をしていたが、本件は学校区令の差止め判決を求め、彼が自分自身と娘のために原告適格を持つとした。しかしカリフォルニア州法で訴訟後見人の権利を剥奪されていることを理由に、原告適格を欠くと判断された。本稿は「神の下の」の文言は違憲か否かの問題、ニュウドウの原告適格を家族関係、監護権、家族関係法から分析し、さらに最高裁判断を5 名の法廷意見と3 名の結論同意意見(一人は関与せず)に分けて解説している。 (6)千葉眞「宗教と政治の関係について--オウム事件の遺した教訓」、137-141頁。 2008年10月オウム真理教の最終被害者集会が、26日に東京地裁(佐村浩之裁判長)で開かれた。オウム事件を背景として、今、宗教に対する警戒や否定的イメージが広がっている。オウム事件とは、「宗教法人」として国から認可を受けた団体が、多くの人々を殺害し傷つけた一連の出来事であり、その反社会的行為に大きな疑問が提出されたのは当然であり、また税制上優遇措置を受けている「宗教法人」全般に対しても疑念が寄せられたのも当然である。しかし、オウム真理教に見られた殺人・テロ行為は言語道断としても、それにもまして大切なのは、各宗教の内部に救済への欣求、神の恵みへの感謝、平和、愛への感覚が息づいていることである。現代世界は、核兵器の出現や自然破壊で脅かされている黙示録的状況にある。この中で、諸宗教と宗教者は、献身的な努力を通じて、新しい価値思想を定礎する重要な責務を帯びている。 Less
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Research Products
(37 results)