2006 Fiscal Year Annual Research Report
「EU-NATO-CE体制」の拡大と変容:現代欧州国際秩序の歴史巨視的検討
Project/Area Number |
17330034
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
遠藤 乾 北海道大学, 大学院公共政策学連携研究部, 教授 (00281775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋口 豊 龍谷大学, 法学部, 助教授 (20283385)
上原 良子 フェリス女学院大学, 国際交流学部, 助教授 (90310549)
戸澤 英典 東北大学, 大学院法学研究科, 助教授 (20335326)
鈴木 一人 筑波大学, 大学院人文社会科学研究科, 助教授 (60334025)
細谷 雄一 慶應義塾大学, 法学部, 助教授 (90322784)
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Keywords | ヨーロッパ統合 / EU / 欧州 / 安全保障 / ヨーロツパ統合史 / 経済統合 / 欧州審議会 |
Research Abstract |
ヨーロッパ連合(EU)は、戦後常に大西洋同盟(NATO)の枠内で独自の欧州統合のダイナミズムを構築してきた。しかし我が国におけるEU研究は歴史的視座を欠き、対内的には共同体機構対国民国家、対外的には欧州対米国という二項対立的認識から脱することが出来ないでいる。そのままでは冷戦終結後から始まる欧州秩序の変動をどう歴史巨視的に把握するかという同時代史的課題に正面から取り組めない。そこで本研究は、この冷戦後からポスト9.11に続く世界政治の中で、大きく変容を遂げた欧州秩序を、歴史な視座から体系的に検討することを目的として、今年も研究を進めた。 まず計画を前倒しして5月に包括的な検討会議を開催した。この場では、作業を円滑に進めるための事務的討議を進め、体系的な関連図書整備、さらに研究会開催の年次計画を話し合い、研究計画を効率的に遂行するための検討を行った。同時に、Dr Piers Ludlow(ロンドン大学国際関係史学部上級講師)をお呼びし、研究計画のレヴューを行った。さらに、若手の統合史研究家を集め、拡大欧州統合史研究会を開催し、ウィングを広げながら、研究の活性化を図った。 この会議とは別に、9月に2回にわたり、合宿形式での集中的な研究会を開催した。ここでは、(A)冷戦後のヨーロッパ国際政治の展開について、欧州共同体・NATO・アメリカ対外政策等の先行研究の検討、(B)各人の欧州国際秩序変容イメージに関する意見交換、(C)冷戦後欧州国際政治の重要史資料、について検討を加えた。その結果は、『ヨーロッパ統合の歴史』(全2巻)の冊子にまとめられ、2007年度中の公刊を期している。10月には、国際政治学会の部会を関連トピック(地域主義の比較検討)で開催し、さらに、12月には、前述の全2巻の冊子を、数人の第1線の研究者にレヴューしていただき、現在はそれをもとに、鋭意出版に向け改善をはかっている。
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Research Products
(12 results)