2006 Fiscal Year Annual Research Report
東ティモール「エスノ」ナショナリズムの「萌芽」・「発展」・「変質」過程
Project/Area Number |
17330039
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
後藤 乾一 早稲田大学, 大学院アジア太平洋研究科, 教授 (90063750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩崎 弘明 長崎純心大学, 人文学部, 教授 (90123835)
山田 満 埼玉大学, 教養学部 本年四月より東洋英和女学院大学, 教授 (50279303)
吉野 文雄 拓殖大学, 海外事情研, 教授 (90220706)
玉木 一徳 国士舘大学, 文学部, 教授 (00207226)
山崎 功 佐賀大学, 文化教育学部, 助教授 (60267458)
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Keywords | 国民統合 / カトリック教会 / アセアン / 経済開発 / エスニック感情 / 国際環境 / ODA / 文化的亀裂 |
Research Abstract |
2007年5月、東ティモールの新大統領にラモス・ホルタ(前外相)が就任した。しかしながら、独立後5年を経た今日なお、山積する国内統合問題、経済開発問題に直面し、その政権運営の前途は容易ではないことが推測される。そうした「東ティモール問題 J の根底にあるエスノ・ナショナリズムを多面的に考察することが本年度の課題であったが、現在準備中の最終報告書には以下の活動成果を盛り込む予定である。 (1)昨年春、独立後最初の深刻な内部対立(地域格差が主因)が発生したが、その直後に現地調査を行い、権力構造、経済事情に関する基礎的資料を収集した。 (2)混迷する経済の活性化には、一定の外国援助・投資が必要であり、特に日本の関与が『期待』されている。その観点から日本政府、企業。NGOの体東ティモール政策・関与の実態を聞き取り調査を含め実施した。 (3)日本との関係においては、今なお戦時期の軍事占領に起因する微妙な対日感情が見られるが、この点につき前年度に現地で行った聞き取り調査のテープ記録を起こし分析した。 (4)東・東南アジアでは経済分野における域内関係が密接化しているが、東ティモールも経済規模はきわめて弱体ではあるものの、こうした潮流に加わることを課題としている。そのような観点から、アセアンさらにはAPECなどの地域協力機構、その加盟国はどのような東ティモール政策を準備しているかについて実態調査を行った。 (5)2002年5月の独立に際しては最大の宗教勢力であるカトリック教会が重要な役割を演じたが、今回の政治的・社会的・文化的な亀裂の修復にはどのような役割を果たしたのか(あるいは果たせなかったのか)につき、教会側の動きについて、主に現地で活動する日本のカトリック系NGOからの聞き取り調査を行った。
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Research Products
(6 results)