Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 淳司 青山学院大学, 経済学部, 教授 (00133695)
荒木 万寿夫 青山学院大学, 経営学部, 助教授 (20303050)
元山 斉 青山学院大学, 経済学部, 助手 (20383490)
椿 広計 筑波大学, ビジネス研究科・経営システム科学専攻, 教授 (30155436)
永瀬 伸子 お茶の水女子大学, 大学院人間文化研究科, 助教授 (30277355)
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Research Abstract |
研究期間の第2年目にあたる今年度は,研究分担者が実際に分析を行っているさまざまな種類の官庁統計の分析経過を報告する活動を中心に実施した.合わせて政府の作成する統計を有効に利用し,安全な形で公開するための技術的な問題も検討した. 1.家計調査と貯蓄動向調査の総合的利用 複数の統計調査で,共通する世帯が部分的に含まれる場合,これらの世帯の完全照合を実施することにより,従来は提供されていなかった新たな情報を利用することが可能となる.具体的には家計調査における毎月の収入と消費支出,貯蓄動向調査における年末の資産・負債残高を組合わせることができる.また家計調査の調査世帯は6か月間継続して調査されることから,時間的に接続することも可能である.この問題については,照合された新たなデータを用いて,美添,荒木,両角がいくつかの分析を実施した。この分析をさらに進めるための準備が整った. 2.小地域統計の利用 この問題に関しては,西郷が従来からの継続的な課題である地価の分布を解明する作業を続けている.統計的なモデルにも工夫を重ね,暫定的な結論を導いているが,今後もさらに分析を進める予定である. 3.全国物価統計調査と商業統計調査の総合的利用 小売店舗の価格形成に関して,店舗形態による各種品目の価格分布特性を分析するために,これらの統計調査を組合せることができる.樋田と西郷は,さまざまな分析手法を利用することによって,価格分布が複数の山を持つ商品に関して,それを特徴づける要因を分析した.この分析も,さらに精緻化する計画である. 4.統計量の分布特性と仮想データの作成 最近では分位点など,有限母集団から作成されるさまざまな推定量が用いられ,その漸近分布を評価する重要性が高まっている.元山は,一般的な統計量の分布を明らかにする研究を行っている.またミクロデータを公開するためには個別情報の秘匿処理が必要であるが,ひとつの可能性として真のデータの分布特性を再現する仮想的なデータを構築する方法が考えられる.椿は,この問題を継続的に検討している.
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