2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17330052
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
文 世一 Kyoto University, 経済学研究科, 教授 (40192736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 知也 京都大学, 経済研究所, 准教授 (70283679)
小林 潔司 京都大学, 工学研究科, 教授 (50115846)
松島 格也 京都大学, 工学研究科, 准教授 (60303848)
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Keywords | 空間経済学 / 交通経済学 / インフラストラクチャ / 交通投資 / 交通料金 / ネットワーク |
Research Abstract |
(A) 航空ネットワークにおける空港料金と投資政策の分析(文・森) ハブ・スポーク型ネットワークを想定し、ハブ空港およびスポーク空港が国営、公営、民営である場合の料金と投資政策を記述するモデルを構築し、運営方式の組み合わせのもとでの経済厚生を評価した。その結果、スポーク空港が公営の場合に投資が過小になること、民営の場合はさらに少なくなることが示された。したがって日本を含めいくつかの国で行われている内部補助政策には資源配分を改善する可能性がある。 (B) 交通ネットワークにおける料金設定と投資費用の配分(文・小林) 国際交通インフラストラクチャの料金と整備水準に関する代替的メカニズムについて分析した。その結果、各国が自国の厚生を最大化するように料金と投資水準を選ぶと、料金が過大となり投資が過小になること、そしてその場合の社会厚生はインフラストラクチャの利用を無料とした場合よりも悪化することが示された。 (C) 複数インフラストラクチャの競争と機能配分(文・松島) 地域内に複数の空港が存在する状況で、各空港の機能配分に関する研究を進めた。昨年までに行った理論分析をふまえ、今年度は料金が規制などによって固定されている場合と各空港運営者が自由に選択できる場合とに分けて、機能配分の役割を明確にした。分析の結果、いずれのケースにおいても、空港が民営の場合はサービスの供給が過大になること、機能配分に関しては2空港を一体運営した方が効率的であるが、料金設定の歪みが大きくなることが示された。
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