2006 Fiscal Year Annual Research Report
グローバリゼーションが企業行動および市場成果に与えた影響の分析
Project/Area Number |
17330057
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
中尾 武雄 同志社大学, 経済学部, 教授 (10065865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小橋 晶 同志社大学, 経済学部, 専任講師 (50367968)
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Keywords | ストックオプションの効果 / 企業価値変化 / 経営者主権と株主主権 / 企業買収行動 / 連結子会社数 |
Research Abstract |
グローバリゼーションは日本企業の環境を大きく変えたが,コーポレートガバナンス問題と企業買収問題が特に注目される.前者に関しては,グローバリゼーションでアメリカ的経営方法が普及した結果,日本でもコーポレートガバナンスが重視されるようになり,この影響でストックオプション導入が急増している.そこで,本研究ではストックオプションの効果を実証的に検証した.被説明変数には,企業価値の変化率と企業価値変化をボラティリティと企業価値の積で割った値を用いた.後者は株価の偶然的変化の影響を除去するために作成された変数である.主要な説明変数はストックオプション規模,ボラティリティなどである.これらの回帰分析の結果,ストックオプションを初めて導入した企業についてはその企業価値への影響が確認されたが,繰り返して導入している企業については,その影響は存在しないか存在したとしても小さいことが明らかになった.また、ストックオプション導入を決定する経済主体としては,経営者と株主が考えられるが,初回導入企業では株主主権のもとに決定されたが,繰り返して導入している企業の場合には経営者主権のもとで決定された可能性が高いことが確認された.企業の買収行動に関する研究では,買収された企業が連結子会社となることに注目し,これを被説明変数として,買収機会の豊富さ,買収効果の大きさ,経営者の企業買収に対するモチベーションの強さ,買収資金の豊富さや資金調達費用の高さを表す要因を説明変数としてパネルデータ分析を行った.その結果,製品や技術が複雑で需要成長率が高く研究開発が活発な産業に所属し利潤率は低いが買収資金が豊富な企業で,企業買収が活発になることが明らかになった.また、ストックオプションは規模が大きい場合には経営者のモチベーションに影響を与えて企業買収を増加することもわかった.
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Research Products
(2 results)