2008 Fiscal Year Annual Research Report
グローバリゼーションが企業行動および市場成果に与えた影響の分析
Project/Area Number |
17330057
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
中尾 武雄 Doshisha University, 経済学部, 教授 (10065865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小橋 晶 同志社大学, 経済学部, 専任講師 (50367968)
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Keywords | 企業価値 / 市場予測力 / 輸出競争力 / 利潤現在価値 / ストックオプション / 資本資産価格形成モデル / グローバリゼーション / 株価のボラティリティ |
Research Abstract |
1,企業価値の研究では,輸出,研究開発,広告,株主構成が配当に与える影響を分析することで,これらの要因が企業価値に与えている総合的な影響を分析し,以下のような結論を得た.すなわち企業価値は技術力が高く,市場でブランドカが強く,世界市場で比較優位があって輸出競争力がある企業ほど高い.企業価値に対する総合的な貢献度で見ると世界市場で比較優位を反映する輸出が最も重要で,企業価値のばらつきの30%から40%はこれによって説明される.(中尾武雄「輸出,研究開発,広告,株主構成と企業価値-直接効果と配当を通じて与える効果の総合的分析-」『経済学論叢(同志社大学)』2009) 2,企業の市場価値が将来利潤の割引現在価値に等しくなっていたかどうかを実証的に分析した.分析対象となった企業は整合的なデータが収集できる製造業企業310社で,1968年の各企業の株式時価総額が2005年までの37年間のその企業の利潤の割引現在価値合計に等しくなっていたかどうかを検証した.その分析の結果,(1)資本資産価格形成モデルを用いた分析では,企業の市場価値は将来利潤の割引現在価値によってほとんどの完全に説明できた.(2)割引率の差のほとんどは株価のボラティリティとトレンドが引き起こしている.輸出比率は統計的に有意にはなったがその影響は非常に小さい(中尾武雄「株式市場の予測力の実証的分析」『WWBワーキングペーパー』2009). 3,ストックオプションの厚生分析では,以下のような結論を得た.(1)ストックオプション導入は株主が決定しても経営者が決定しても社会的厚生の期待値を増加させる,(2)ストックオプション規模を経営者が決定しても株主が決定しても経営者の努力度は社会的最適水準よりも小さくなるが,ストックオプション規模をより大きくしても社会的厚生を増加させることはできない(中尾武雄・小橋晶・岸基史「ストックオプション導入に関する理論的分析-経営者主権と株主主権におけるストックオプション規模が社会的厚生に与える影響-」『同志社大学経済学会・ワーキングペーパー』2008).
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Research Products
(4 results)