2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17330060
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高崎 善人 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 助教授 (00334029)
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Keywords | 国際研究者交流 / カンボディア / 開発経済学 / 貧困 / 障害者 / 世帯調査 |
Research Abstract |
本研究の目的は、既存の家計データにもとづく定量的貧困研究において見逃されてきた、紛争後の貧困と障害者の実態を明らかにすることである。具体的には、カンボディア家計データをもとに、(1)紛争のどのような要素が、どのように貧困を形成し、慢性化させているのかを解明し、(2)特に、紛争によって急増した障害者が、どのような貧困状況にあるのかを把握し、(3)それらをもとに、紛争国特有の貧困問題解決へ向けての政策提言を行う。本研究は、既存の大標本家計データの分析、ならびに関連する社会開発プログラムに的を絞った一次家計データの収集、分析という二つの異なるアプローチからなる。研究実施計画に従い、今年度は以下の研究を実施した。 1.文献調査〜貧困、紛争、障害、およびカンボディア全般に関する広範な文献調査を行った。平成19年度実施予定の家計調査に向けて、サーベイ調査法、計量分析手法、関連する社会開発プログラム・研究(特に教育、健康)に関する文献調査も実施した。 2.データ分析〜1997年と1999年の家計データに加えて、最新の2003/04年の家計データを用いて、貧困と障害の関係に関する計量分析を行った。具体的には、第一段階の分析として、障害者が貧困に及ぼす影響を推計中である。その際、貧困が障害へ与える影響(つまり障害の内生性)が大きな問題となるが、埋没地雷等の紛争変数に加えて2004年医療施設データにある変数を用いることで、その処理精度を上げる作業を行っている。
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