2005 Fiscal Year Annual Research Report
移行経済国における「市場形成」の進展、課題、政策と日本の協力
Project/Area Number |
17330066
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
駿河 輝和 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (90112002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 由芳 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (10291981)
松永 宣明 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (80127399)
三重野 文晴 神戸大学, 国際協力研究科, 助教授 (40272786)
上野 宏 南山大学, 総合政策学部, 教授 (10324906)
橘 永久 神戸大学, 国際協力研究科, 助教授 (70301017)
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Keywords | 地域間格差 / 海外労働移動 / 国内労働移動 / 法整備 / 資金調達 / 競争法 / 会社法 |
Research Abstract |
駿河はモンゴル、ウズベキスタン、中国、ベトナム、ラオスといった移行国を訪問し、資料収集や現地調査を行った。移行過程において首都を中心とした都市と地方の所得、教育機関、医療機関、生活インフラに関する格差が拡大していることを確かめた。高収入を求めての海外労働移動、地域間格差の縮小を目指した都市への労働移動が生じてきている。地域間労働移動は規制がどの国でも徐々に少なくなったが、いまだに国により規制の強さが異なることも一因で都市集中の程度は異なっている。また地域間移動はモンゴルでは都市住民の問に格差をもたらしている。移動の要因について資料を収集中である。大民営化の国際比較では、ラオスではリース方式がうまく行かなかったことがわかった。 金子を中心として駿河、松永も参加して移行国への法整備支援の実態や効果についての研究会を月に一度開催した。先進国の法律と移行国の習慣、制度的要因、経済の発展レベルは必ずしも適合的でなく、現地の実情にあった法律の作成の重要性が確認された。 金子は、アジア地域の市場経済化諸国の法制度構築の動向を、ロシアをはじめとするビッグバン諸国の法整備の動向を比較する視点から、会社法や競争法の内容比較を進めている。 松永は、ラオスの製造企業の個票を入手し、今後このデータにより分析を行う予定である。ラオスにおけるこの種の個票データはきわめて貴重でありラオス企業の行動パターンの解明が期待できる。 上野は世界銀行、IMFを訪問し、IMFがモンゴルに対してPRGFを停止した事情に関して知見を得ている。 三重野は、ミャンマーにおける企業の資金調達について研究をまとめた。また、ラオスの農村金融構造について聞き取り調査を進めている。 橘はラオスの起業家調査を実施し、留学組、ベトナムやタイ系の帰化組が多いことを見つけている。
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Research Products
(6 results)