2006 Fiscal Year Annual Research Report
移行経済国における「市場形成」の進展、課題、政策と日本の協力
Project/Area Number |
17330066
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
駿河 輝和 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (90112002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 宣明 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (80127399)
金子 由芳 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (10291981)
福井 清一 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (90134197)
上野 宏 南山大学, 総合政策学部, 教授 (10324906)
橘 永久 神戸大学, 国際協力研究科, 助教授 (70301017)
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Keywords | 教育の収益率 / 労働市場 / 民営化 / 海外直接投資 / 法整備 / 縫製産業 / 財政 / 市揚法制度 |
Research Abstract |
駿河は、モンゴル、ラオスにおける労働市場を分析するために個表を使用して教育の収益率を計算した。モンゴル、ラオスともに発展途上国の平均である10%には達していないが、移行国の場合、民間部門の発達が遅れるためにこれは通常のことである。中東欧や旧ソ連の各国は収益率の比較的高いグループ(6.7%〜10.1%)と低いグループ(3.1%〜5.8%)の2つに分かれるが、モンゴルの場合には7%程度で高いほうのグループに入る。モンゴルでは、特に大学卒業者の収益率が高い。ラオスは5%〜6%で、収益率は決して高くないが、モンゴルと逆に義務教育のような低い学歴ほど収益率が高く、基礎的教育への需要は高い。したがって、基礎的教育へのアクセスと質の充実が急務である。 移行国の経済パフォーマンスの格差には、海外直接投資が重要な役割を果たしている。1つの国の中の地域的経済格差にも海外直接投資の果たしている役割が大きい。移行国の発展のためには、海外直接投資の流入のための、法整備、人的資源の充実、インフラストラクチャー整備、政治の安定といった点の充実が重要であることになる。 松永は、ラオスにおける縫製産業の現状、問題、展望を詳細に現地調査している。また、法整備について歴史的観点から分析して、法整備支援の今後の課題を明確にしている。 金子は、アジア市場経済化諸国で2005年度に相次いだ会社法制を中心とする新たな市場法制度の展開を、条文比較を中心に分析し、相互の政策選択の方向性の違いについて検討した。このような検討は先行研究がなく先駆的な意義をもつ。金子を中心に駿河、松永の参加した法整備支援研究会の成果を本としてまとめた。 上野は、モンゴルの現地調査を行い、モンゴルの財政は2005年度黒字を達成したが、この要因が財政収入の増加にあることを見つけた。また、地方税制と地方政府収入に大きな問題のあることを指摘している。
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Research Products
(11 results)