2007 Fiscal Year Annual Research Report
地方分権が社会保障システムの効率性・衡平性に与える影響の分析
Project/Area Number |
17330072
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Research Institution | National Institute of Population and Social Security Research |
Principal Investigator |
泉田 信行 National Institute of Population and Social Security Research, 社会保障応用分析研究部, 第一室長 (70360716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小椋 正立 法政大学, 経済学部, 教授 (90154426)
西村 幸満 国立社会保障・人口問題研究所, 第2室長 (80334267)
澤野 孝一朗 名古屋市立大学, 経済学部, 准教授 (80336354)
熊谷 成将 近畿大学, 経済学部, 准教授 (80330679)
星 敦士 甲南大学, 文学部 社会学科, 准教授 (90411834)
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Keywords | 地方分権 / 社会保障 / 地方自治体 / 行政能力 / 効率と衡平 |
Research Abstract |
地方分権を実施していくためには各地域で人口が維持されていく必要があるが、人口についてはこれまで外生的に扱われてきた。西村分担研究者は、高校生の就職、特に県外就職と地方分権化の関係について沖縄県を事例として分析を行った。地域雇用の弱さを克服するために人材育成策が必要であることが述べられた。 保育については平成16年度の国庫補助負担金改革において、公立保育所運営費補助金が一般財源化された。その効果について、収集された市町村データを分析した。その結果、地方交付税の交付団体では対前年度3%程度の保育関連支出の伸びがあったが、不交付団体では-0.26%であった。このため、一般財源化は一定程度の効果があった可能性がある。 社会保障のうち医療制度については「医療崩壊」という言葉が用いられる状況になっている。この問題は提供するサービスの公的な側面が強調され、公務員として医療従事者が勤務する公立病院において顕著であると考えられる。そこで、公立病院長として勤務経験のある阿波谷教授(高知大学)および公立病院の開設に従事した遠藤氏(福島県三春町財政課長)に研究会での報告及び論文執筆を依頼した。医療サービスの性質を踏まえて医師などの従事者確保を行う必要があるという面での課題が浮き彫りとなった。それを踏まえた地方財政の課題の検討が今後とも必要である。 介護保険制度は地方自治の試金石とも言われるが、そもそもの目標である「介護の社会化」が達成されたのかは検証されていない。そこで、介護者に対するアンケートを実施した。希望する利用時間と実際の間のギャップは所得水準とは関係ないが、自己負担を理由にギャップが存在する場合に負担感が強いことなどが明らかになった。
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Research Products
(6 results)