2005 Fiscal Year Annual Research Report
インフレ・ターゲティング政策と経済安定化-アジア諸国の経験と日本への影響-
Project/Area Number |
17330073
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
地主 敏樹 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (60171089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 賢哉 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (30229067)
宮尾 龍蔵 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (40229802)
三重野 文晴 神戸大学, 国際協力研究科, 助教授 (40272786)
石垣 健一 神戸学院大学, 経済学部, 教授 (40047486)
藤原 秀夫 同志社大学, 商学部, 教授 (10104613)
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Keywords | インフレ・ターゲット / 金融政策 / アジア経済 / マクロ経済学 / 経済安定化 |
Research Abstract |
今年度はプロジェクトの初年度であるため、今後3年間の活動の基礎となる資料、データベースの購入・構築と概要把握のための、各分担者による現地聞き取り調査が活動の中心となった。地主、猪口はマレーシアの中央銀行への「聞き取り調査を行い、マレーシアの金融政策や金融システムの制度、形成史についての理解を進めた。北岡もマレーシア中央銀行において聞き取り調査を進め、特に金融政策がイスラム教国としての制約の文脈で選択されていることなどの特殊性が理解された。北岡の調査概要は、同志社大学のワークショップにおいて報告された。宮尾は、3月に米国連邦準備銀行においてインフレ・ターゲットに関する基本的論点についての聞き取りおよび意見交換を行い、今後のアジア諸国を見る際の課題、視点の整理をおこなった。また、三重野は1月にコロンビア大学においてプロジェクトに関係する研究(タイ金融システム)の報告を行い、関係する研究者との意見交換をおこなった。 今年度、研究成果とした発表された研究は、いずれもプロジェクト開始以前からその準備として進めていたものが実を結んだものである。宮尾、地主、藤原秀夫は、アジアにおけるインフレ・ターゲット採用の是非を議論するうえで重要なバックグラウンドとなる、日本のケース及び理論的観点から実証、理論両面における分析を進め成果をとりまとめた。藤原賢哉、三重野は、ミクロ的な視点から、日本における債務過剰企業の破綻処理(デット・リストラクチュアリングの視点からの金融市場の効率性、やアジアにおける企業の資金調達行動などのテーマに取り組み、成果をとりまとめた。
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