2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17330074
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
MCKENZIE Colin Keio University, 経済学部, 教授 (10220980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 隆 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (90118935)
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Keywords | 価格形成 / 社債市場 / 株式市場 / 証券市場 / 引受業者 / ミスプライシング / アンダープライシング / オーバープライシング |
Research Abstract |
マッケンジーは数回、研究協力者である鷹岡澄子氏を日本に招聘し、「Mispricing in the Japanese Corporate Bond Market」や「Main Bank-Firm Relationships and Volatility in the Japanese Corporate Bond Market」という共著論文の修正を行った。後者の論文を投稿した結果として、Volatilityをいつ計るのが需要だということや発行企業と銀行との融資・株式関係がなぜ社債の発行手数料、発行スプレッドや引受業者の選択に影響をあたえるかをより説明する必要はあるという指摘を受けた。Volatilityをいつ計るかについて発行条件決定日の前日・一ヶ月前や三ヶ月前を使ってみたが、いままで得られた結果はほとんど変わらなかった。発行企業と銀行融資・株式関係についてVolatilityとの交差校を追加し、いろいろ試みたが、良い結果が得られなかった。7月9日-11日、ウェリントン市(ニュージーランド)で開催された計量経済学会のオーストラレーシア大会(ESAMO8)に参加し、「Mispricing in the Japanese Corporate Bond Market」という論文について研究報告を行った。報告に対して、なぜ社債の年限が効くか、なぜvolatilityが効くのか、年限とvolatilityとの交差校を利用したことがあるかというような建設的な質問を受けた。株式のアンダープライシングについての論文を再検討し、社債のOverpricingを説明する理論モデルを構築したが、弱点はいつも流通市場の流動性をどのように計るかということである。金子氏は前年度に引き続き、IPOの過小値付け現象について、IPOとPO(既公開企業による株式発行)の「投資家から見た違い」に着目した新解釈を、より掘り下げて展開した。株価は企業の妥当な株価水準に関する投資家の平均的意見を反映して決まると仮定するなら、「いま」の平均的意見が不正確にしかわからないIPO株を購入する投資家は、ビッド価格を自分の意見より低めに提示すると考えられる。この解釈に従うと、情報の非対称性を持ち込まずに過小値付け現象を整合的に説明することが可能となる。
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Research Products
(3 results)