2007 Fiscal Year Annual Research Report
ベトナム・ラオス・カンボジアの企業経営におけるAFTA・WTO加盟の対応と影響
Project/Area Number |
17330095
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Research Institution | University of Marketing and Distribution Sciences |
Principal Investigator |
上田 義朗 University of Marketing and Distribution Sciences, 情報学部, 教授 (80203454)
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Keywords | ベトナム / ラオス / カンボジア / WTO / 外国直接投資 / インドシナ半島 / メコン川流域 / 株式市場 |
Research Abstract |
平成18(2007)年の1月11日にベトナムはWTOに正式加盟した。それ以降1年間のベトナム経済および企業経営の変化は劇的であった。それに伴ってカンボジア・ラオスの経済発展も加速された。本年度の研究は、このような最新の変化を的確に把握することに注意が払われた。 ベトナムでは2007年に消費者物価が15%上昇し、さらに不動産価格も上昇した。それに対処するために政府は金融引き締め策を強行した。これは株価を低迷させた。また2008年1月1日から最低賃金が引き上げられたが、日系企業において違法ストが発生した。これらは、インフレ抑制・経済成長・株価上昇という難題の解決をベトナム政府に課している。これらからベトナムは「中進国」の段階に入ったとみなされる。 ラオスでは、2009年に.アセアン競技大会が開催予定であり、ビエンチャンの不動産開発が活発である。「東西経済回廊」の開通とタイ・ラオス鉄道敷設の開始は物流インフラ改善する。さらに相対的に賃金水準は低い。これらは外国直接投資の増大に貢献する。ビエンチャンやサワナケットの経済特区が経済発展を牽引する可能性が高い。 カンボジアの法整備は、2004年のWTO加盟以降に着実に進行し、2007年9月に「証券取引法Jが国会を通過した。さらに日本企業によってプノンペン経済特区が造成中であり、シバヌークビル港の工業団地開発も予定されている。なお、米国による中国縫製品に対する輸入規制が2008年末に解除されるために、カンボジアを経由して対米輸出されていた縫製品の輸出減少が懸念されている。 これらメコン川流域3力国では、相互の経済連携が深化し、共通して中国および韓国の投資が増大している。以上、アジアにおける経済成長センターとして3力国を位置づけることができる。 なお、本研究成果の一部は「ひらめき☆ときめきサイエンス」事業で2007年9月に公開された。
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