2008 Fiscal Year Annual Research Report
市民エージェントの構想する新しい都市のかたち-グローバル化と新自由主義を越えて-
Project/Area Number |
17330113
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
町村 敬志 Hitotsubashi University, 大学院・社会学研究科, 教授 (00173774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木本 喜美子 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (50127651)
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Keywords | 社会運動 / 公共性 / 新自由主義 / 都市構造 / NPO / 社会学 / 都市政治 / 市民活動 |
Research Abstract |
「社会運動」からいわゆる「市民活動」にまで広がる集合的なアクティヴィズムの今日的な形をいかにとらえていくか。本研究は、「課題を抱えた社会を市民の側から変えていく担い手たちの集合体」を(広義の)市民活動団体と理解した上で、社会運動からNGO、NPO、ボランティア団体、サークルから「市民活動団体」までに至る諸団体の布置と動態を、3600団体に対する質問紙調査とその分析によって明らかにした。最終の平成20年度においては、これら「市民社会組織」Civil Society Organizationを対象とする分析を総括するため、毎月の研究会を開催するとともに、320頁に及ぶ報告書を作成した。本研究により明らかになったのは、おもに次の3点である。第1に、1990年代以降の新自由主義の波は、市民社会組織の布置にも、政策志向化、脱政治化といった形で影響を及ぼしている。ただし、新自由主義の影響を受けた団体のなかにも、リベラル派や「改革」志向派といった区別が存在する。第2に、現存する市民社会組織の中には、個別団体の記憶と経験を介して、過去の運動の歴史的系譜が重層的な形で埋め込まれている。各時期に生まれた団体は、その後、現在に至るまで、国内外の多様な出来事や事件を団体や個人として経験していく。このため、現存する団体には、結成時期の記憶や経験だけでなく、その後の歴史的経過のなかで体験した出来事や事件の刻印が残されており、これらの組み合わせによって、市民社会組織には単なる時流に流されない分厚く多様な行動の可能性が開かれている。そして第3に、2000年以降、労働や格差といったテーマを軸に、政治的志向性が強く非制度的な活動も活発な団体が新たに生まれつつある。これらが流れを変える存在になるのか、それとも、周辺的な位置を占めるに留まるのか。市民社会組織の展開の方向は、この点に大きく依存している。
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Research Products
(2 results)