2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17330134
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 俊和 名古屋大学, 大学院教育発達科学研究科, 教授 (70131216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣岡 秀一 三重大学, 教育学部, 教授 (30199111)
斎藤 和志 愛知淑徳大学, コミュニケーション学部, 教授 (20211922)
北折 充隆 金城学院大学, 人間科学部, 助教授 (30350961)
出口 拓彦 藤女子大学, 人間生活学部, 講師 (90382465)
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Keywords | 社会的迷惑行為 / 共感性 / 負の互恵性規範 / 社会的自己制御 / 集団内迷惑行為 / 組織風土 / 社会的逸脱行動 / 災害リスク教育 |
Research Abstract |
共感性と対人的迷惑行為の研究については、場面想定法による調査を行い、行為者と認知者の関係性の違いや迷惑認知の根拠の視点から検討した。成果は、『パーソナリティ研究』15巻に掲載予定である。 負の互恵性規範(傘を持っていかれたら、類似の傘を持っていく)によって生じる社会的迷惑行為が、どのような個人特性を持った人によって実行されやすいかについて質問紙調査を行った。同時に、向社会的行動も取り上げ、第三者を通しての社会的交換との関連についても考察した。『社会心理学研究』に投稿中である。 社会性の発達を示す「社会的自己制御」機能が、社会的迷惑行為の実行メカニズムにどのように影響するかを検討するため、自己制御尺度を改良し、「社会的自己制御」尺度を作成した。そして、その概念的妥当性を検討した。この成果は、『パーソナリティ研究』に投稿中である。 集団内における迷惑行為の頻度と認知についての研究は、組織風土との関連から、大学におけるクラブやサークルで調査が行われた。この成果は、『実験社会心理学研究』に投稿中である。なお、こうしたデータに対し、個人の影響と集団の影響に分けて分析できる階層線形モデル(Hierarchical linear models)や二段抽出モデルといった新しい分析方法の使用を試みている。 社会的ルールの知識構造に関しては、認知的な歪みとともに、社会的逸脱行動との関連を見るため、中学生と高校生に調査を実施した。この成果は、『犯罪心理学』に投稿中である。 教育実践に関しては、リスク回避行動と社会規範の観点から、災害リスク教育の可能性についての授業を実施した。その成果は、『中等教育研究センター紀要』に掲載された。 学会発表では、日本グループ・ダイナミックス学会第53回大会(武蔵野大学)で関連研究を5本、国際応用心理学会第26回大会(アテネ)で関連研究3本、日本社会心理学会第47回大会で関連研究6本の実績であった。
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Research Products
(4 results)