2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17330134
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 俊和 Nagoya University, 大学院・教育発達科学研究科, 教授 (70131216)
|
Keywords | 社会的迷惑行為 / 社会的逸脱行動 / 社会的自己制御 / 社会的情報処理 / 学級規範 / 仲間規範 / 社会環境 / 向社会的行動 |
Research Abstract |
1. 社会的自己制御に関する研究を前進させた。迷惑であると自分の行為を認識していながら、実行してしまう個人内のメカニズム(行動接近システム・行動抑制システム/実行注意制御の関連)が社会的自己制御を媒介し、逸脱行動や迷惑行為へ及ぼす影響について、さらなる検討を加えた。研究成果としては、『パーソナリティ研究』と『実験社会心理学研究』に掲載された。 2. いじめに否定的な学級規範の形成に影響を及ぼす先行要因として、日常的な教師の指導態度に着目した。担任教師の受容的で親近感があり、自信を持った客観的な指導態度は、いじめに否定的な学級規範と児童生徒のいじめに対する罪悪感を高めることを実証した。そうしたいじめに否定的な学級規範といじめへの罪悪感は、児童生徒のいじめ加害傾向を抑制することが示された。また、排他性が高い仲間集団ほど、仲間のいじめを制止する行為を快く思わない仲間規範の存在することも明らかにされた。これらは、『応用心理学研究』と『実験社会心理学研究』に掲載が決定された。 3. 社会的環境(地域の集合的有能感)が子どもの社会化(向社会的行動や逸脱行動)に及ぼす影響を、情報処理過程や社会的自己制御を媒介して生起するモデルの検討を始めた。まず最初は、大学生に対して回顧法を用い、変数間の関連を検討した。研究成果として、いくつかの学会発表が行われた。 4. その他として、従前から行われてきた負の「社会的交換」として、迷惑行為の連鎖が『実験社会心理学研究』と『社会心理学研究』に掲載された。
|
Research Products
(17 results)